【中田良弘氏の眼】勝敗分けた阪神の機動力 サンズ、梅野盗塁で崩れるアーリン
「日本ハム2-4阪神」(10日、札幌ドーム)
両外国人による投手戦となったが、勝敗を左右したのは阪神の機動力だった。まず二回、2死から中前打で出塁したサンズが二盗。足の速くない選手に盗塁をされると、投手としては心理的に影響するものだ。
このサンズの盗塁が、五回の攻撃につながる。北條の併殺で好機がつぶれたかと思ったが、梅野が中前打で出塁。すると近本の打席で梅野が二盗に成功した。そこまで粘り強い投球で得点を防いできた日本ハムのアーリンだったが、サンズに続いて捕手の梅野に盗塁されたことで明らかにリズムが崩れた。
それまでなかった四球を近本に与え、一、二塁のピンチを背負うと、続く中野に高めの失投を痛打された。打った中野は素晴らしいが、“足攻め”でアーリンを攻略したと言っていい。
打てない時には機動力を使って、何とか得点しようというのが今年の阪神。この日はまさに、それを象徴したような試合だった。