阪神ドラ1佐藤輝 G撃2戦連発!岡田に並んだ!球団ルーキー歴代2位18号
「阪神1-2巨人」(20日、甲子園球場)
父の日に感謝を込めた一発を贈り届けた。阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が2点を追う六回、左翼席へ岡田彰布氏(デイリースポーツ評論家)に並ぶ球団新人歴代2位の18号ソロを放った。新人の巨人戦2戦連発は球団史上初。連敗を喫し、チームは負け越してしまったが、2本のアーチは宿敵にとって忘れられない傷痕になったはずだ。
悔しさを抑えきれない。惜敗が決まった直後、佐藤輝は歓喜に沸く宿敵をじっと見つめた。阪神の新人選手で史上初の巨人戦2戦連発も空砲。一塁ベンチ最前列で唇をかみしめ、連敗を受け止めた。
「勝たないと意味がない」-。前日そう語っていた怪物新人が燃える思いを一振りに込めた。2点を先制された直後の六回2死。母校近大の先輩・畠の外角低め152キロ直球を捉えると、打球は左翼ポール際に吸い込まれた。
「ちょっと途中で失速したので、どうかなと思いましたけど。追いかける場面でしたしホームランになって良かったです。(畠は)良い投手なので、一本出せて良かったです」
1980年の岡田彰布に並ぶ球団新人歴代2位タイの18号。「僕の中では監督をされていた時しか見たことがないですけど。バッターとしてもすごい方だと思うので、そういった方に並べたことは非常にうれしいことだと思います」と率直な思いを言葉で表現した。
前日の“前祝い弾”に続き、父の日に最高のプレゼントを贈れたことも大きい。佐藤輝にとって、父・博信さん(54)は「一番応援してくれて、一番身近で支えてくれている」という特別な存在だ。
肉体改造に着手した高校時代。食生活も含めて全力でサポートしてくれたのが父だった。自身の柔道家としての経験を元に、アスリートとしての心構えも熱心に伝えてくれた“師匠”。父を思い、両手に青色のテーピングを巻いて試合に臨んだ息子は「喜んでくれていると思います」と感慨深げに振り返った。
矢野監督も「テルの打球かなと思います」と逆方向への一発を絶賛。新人の左打者で、1998年に歴代2位の19本塁打を記録した高橋由伸(巨人)までも、あと1本だ。
3カードぶりの負け越しも受け止めた背番号8は一塁線上に立ち、最後まで応援してくれたファンを目に焼き付けた。原巨人を倒さなければ16年ぶりのリーグ優勝はない。王者の執念に屈したこの日、ルーキーの心にリベンジの炎がともった。