佐藤義則氏の眼「阪神・青柳は五輪で活躍できない…かも」

 2回、力投する青柳(撮影・飯室逸平)
2回、村上に先制ソロを許す青柳(撮影・田中太一)
 ファンの声援に応える青柳(撮影・山口登)
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 「阪神5-3ヤクルト」(29日、甲子園球場)

 阪神がDeNA戦3連敗を振り払う快勝。投打がかみ合った勝利と言えるが、デイリースポーツ評論家・佐藤義則氏は、青柳の好投を評価。一方で、日本代表としての五輪出場に関しては、「変則だから通用する」という発想では危険と警鐘を鳴らした。

  ◇   ◇

 3連敗で迎えたヤクルト戦。青柳はきっちりとマイペースで、ボールを低めに集めて粘り強くヤクルト打線を抑えていった。見逃しストライクも多かったし、空振りもよく取れていた。青柳らしい投球だったと言える。

 オリンピック前にあと2度、登板機会があるがこの調子なら勝利を重ねることも十分可能だろう。

 さて、そのオリンピックで、この調子で青柳が代表選手としてマウンドに立つなら、期待する向きも多いだろう。青柳を選んだ稲葉監督もそうだろうが、他国のチーム目線で、変則投手には手こずるだろうという考えがあるのだと思う。

 ただ、私は心配している。稲葉監督とも話したのだが、外国人打者は、リーチが長く、パワーも持ち合わせている。

 今回の参加国としてもアメリカ、ドミニカ共和国といった国が出てくる。確かに、過去の例で言えば牧田(楽天)、渡辺(元ロッテ)といった投手は、それらの国に通用したが、この2人は典型的なアンダースローだ。一方、青柳はそこまでの変則ではなく、MLBにも似たような腕の振りのピッチャーがいる。

 しかも、青柳の特長として、右打者への外角スライダーが一つの武器なのだが、1打席目は戸惑うことがあっても、次の打席ではバットが届いて捉えられる可能性がある。それこそが、大柄な打者が多いチームの強みであり、しかも青柳のボールの軌道は先述した通り、対応できないほどの変則でもない。

 青柳があの舞台で通用するためには、とにかくスライダーにこだわり過ぎないことだ。そして、横手投げであることをアドバンテージと思わないことだ。相手の弱みは縦の変化。シンカーを多用するなど、そこからの組み立てをじっくり練って、五輪に臨んで欲しい。

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