100三振の阪神・ドラ1佐藤輝に矢野監督の言葉「振らない怖さ」出せ

 「阪神2-2ヤクルト」(30日、甲子園球場)

 一皮むけてほしいと願うからこそ阪神・矢野監督は言葉に熱を込めた。ドラフト1位・佐藤輝(近大)が初回、2死二塁の好機で空振り三振に倒れ、71試合目でシーズン100三振に到達した。

 プロ野球新人記録となる121三振(99年、中日・福留)更新も時間の問題となる中、指揮官は「ぶんぶん振ることがフルスイングだとは思わない。アイツは小さく振ってもホームランを打てるんでね。振る怖さと振らない怖さというのが出てくると、本物のバッターに変わっていく」。プロ野球記録は93年・ブライアントの204三振。そこにたどり着くまでの変化を求める。

 象徴的なのは六回の第3打席、高梨のフォークを見極めて四球を選んだ。「ああやって見逃されると、バッテリーは次はストライクを投げていく」と矢野監督。ここまで19本塁打は新人として十分に合格点だが、まだまだ進化の途中だ。

 29日から「4番・サンズ、6番・大山」に組み替えた打線はつながりを欠いた。六回まで毎回走者を出しながら高梨の前に1得点のみ。指揮官は「崩せないというほどの状態ではなかったと思う。今は我慢」とこらえる。それでも巨人が敗れた夜に価値あるドロー。「みんなで粘って引き分けにできたことは大きい」と前を向いた。

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