阪神ドラ1佐藤輝 屈辱5K 史上19人目プロ野球タイ記録 3日猛打賞から急転
「広島4-3阪神」(4日、マツダスタジアム)
何とかしたかった。ただ、こん身のフルスイングは幾度も空を切った。史上19人目、プロ野球タイ記録となる1試合5三振を喫した阪神ドラフト1位・佐藤輝(近大)。一度もフェアゾーンに打球を飛ばすことができず、唇をかみ締めた。
3日の同戦で3安打猛打賞をマークしていた怪物ルーキー。ややバットを寝かせるなど新たな打撃フォームで復調気配を漂わせたが…簡単に風向きは変わってくれない。
この日は広島先発・森下の前に手も足も出なかった。二回の第1打席で外角いっぱいの直球に反応できず見逃し三振。1点リードの五回1死満塁の好機では、空振り三振に倒れた。
投手が代わった1点を追う七回2死一塁の場面では、2番手・フランスアがフルカウントから投じた真ん中付近の直球をスイングしたが、空を切った。九回1死一、二塁と一打同点の第5打席も、栗林のフォークに空振り三振。5打席連続三振とふがいない結果に、思わず天を仰いだ。
味わった屈辱。今後、どう生かしていくかが大事になってくる。矢野監督は「三振というのは結果だから、初めから小さくスイングしろというのは全然ないし。でも、チャンスでかえすというバッティングも輝の中で身につけていく。それが勝たせる打者とか、より良い打者になっていくというところ」とさらなる成長を求めた。
打撃で苦しい状態だが、守備では懸命なプレーで仲間を救った。1点リードの四回1死一塁。林の右前打に猛チャージをかけると、三塁を狙った一走・長野をワンバウンド送球で刺した。
75試合を消化して疲れも見え始めるが、ここが踏ん張りどころ。目の前の壁を乗り越えてこそ、次のステージが見えてくる。