阪神・佐藤輝 エキシビ4戦4発!内角直球撃ち 打球速度178キロ、137メートル
「エキシビションマッチ、阪神3-2西武」(30日、甲子園球場)
目を疑うような打球が右翼席に突き刺さった。阪神の佐藤輝明内野手(22)が、エキシビションマッチで4戦4発となる決勝アーチをたたき込んだ。前半戦で苦手としていた内角ベルトゾーンの直球を完璧に捉えた一撃。ボールの見極めをテーマにしているという怪物新人が、後半戦開幕を前に新たな境地へと達した。
乾いた打球音が甲子園に響くと、佐藤輝は本塁打を確信したように打席の中で静止し、放物線の行方を見つめた。打球速度178キロ、飛距離137メートル。エキシビションマッチ4発目となった豪弾が右翼席中段に突き刺さると、場内からは大きなどよめきが起こった。
「すごいいいホームランだったと思います。(打球速度も)速ければ速いほどホームランになる確率が高いので良かったです」
同点の八回1死。十亀が内角ベルトゾーンに投じた143キロ直球をフルスイングではじき返した。前半戦の同コースに対する直球は・095、0本塁打と大苦戦。開幕から執拗(しつよう)に攻められてきた1球だったが、物の見事にたたき込んだ。
進化の一端を示す打席内容に、矢野監督も「ファウルになったり、凡打になっていたところを一発で仕留められている状態というのが、今のテル(佐藤輝)のいいところ」と目を細める。
今、打席の中で意識しているポイントは打つべきボールを絞って打つこと。「インコースでも打てるところは打っていって、見逃すべきところはしっかり見逃すことを意識している」。打てるボール、打てないボールを瞬時に判断した上でスイングすることが、弱点を克服するための道しるべになっている。
だからこそ後半戦開幕までは「ストライク、ボールの見極めや追い込まれてからの選球眼ですね」とボールを見極める力を養う方針。これで4戦4発と手応えを深めつつある背番号8。ひと皮むけたバットの勢いは、そう簡単には止まりそうにない。