侍・岩崎 マー君救った!完璧火消し!上々代表デビュー「いつも通り入った」
「東京五輪・野球・準々決勝、日本7-6アメリカ」(2日、横浜スタジアム)
この日を待っていた。胸に秘める熱い思いを白球に込めて、全力で腕を振った。3失点で逆転を許した田中将の後を受け、阪神・岩崎が四回2死二、三塁の場面で代表初登板。ウエストブルックを初球の真っすぐで遊ゴロに仕留め、仕事を完遂した。
「積極的に振ってくることは分かっていたので、自信を持って投げて3アウト目を取れて良かったです」
1次リーグ2試合はブルペン待機。出番に向けて「しっかりやらなきゃという思いが強いです」と準備を進め「いつも通り(試合に)入った」と、満点快投を見せつけた。チームは延長十回サヨナラ勝ち。仲間に声援を送っていた左腕もベンチを飛び出した。
金メダルに輝いた女子ソフトボール日本代表・上野由岐子(39)に勇気をもらった。「すごいですよね。一言で言ったら。何か強い気持ちみたいなものを感じました」。東京五輪に懸ける熱い思い、エースとしてのプライド。初戦のオーストラリア戦からテレビにかじりついて見ていた。
表面上はクールだが、左腕の心の中は燃えている。悲願の頂点まで残り2勝。「金メダルを獲得できるように、また自分もその力になれるように」と気合十分の背番号13が、侍を世界一にいざなう。