阪神・青柳 侍魂で虎でも金 諦めかけた野球、諦めず想像を超えた夢舞台での世界一
東京五輪の野球日本代表「侍ジャパン」に選ばれていた阪神・青柳晃洋投手(27)が9日、デイリースポーツの独占取材に応じ、金メダル獲得に至った激闘の日々を振り返った。悲願達成の最高の結末に喜びを感じた一方、個人的には救援登板2試合で計5失点と悔しさも味わった。超一流の選手らと共に頂点を目指して戦った貴重な経験を糧に、まずは先発投手陣の柱として阪神のリーグ優勝に貢献する考えだ。その2。
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稲葉監督は「結束」を合言葉にチーム作りを推し進めた。選手たちは大会前の最終合宿から積極的にコミュニケーションを取り合い、絆を深めていった。
「野手の半分以上が(19年の)プレミア12からの継続というのもあったので、もともとでき上がったチームだったんですけど。僕みたいに初めて来た選手でも溶け込めるような雰囲気でしたし、すごく結束力があったのかなと思います」
振り返れば、緊張感MAXで臨んだ7月19日の合宿初日から結束力を感じていた。投手陣が和やかな雰囲気に包まれる中、その中心に青柳がいた。
「康晃(山崎)さんやいろんな方が話しかけてくれました。一番はキクさんが話しかけてくれたので、そういう部分が出ていたのかなと思います。でも、僕より平良の方がムードメーカーになっていたので。平良はすごいですよ。行動自体が面白いという感じです。いきなりキャッチボールをキャッチャーミットで始めたりとか。聞いたら『手が痛い』と言っていて。いろいろあります(笑)」
日米通算181勝を誇る田中将など、数々の実績を積んできた投手が多数。合宿中は大野雄に弟子入りして、質問攻めにした。
「普段どういう調整をしているのか聞きました。そんなに僕と変わりはなかったんですけど、大野さんはシーズン中にウエート(トレーニング)をしないらしくて。野球とは違う疲労感が残ったりとか、試合に入っていく中であまり良くなかったのでやめたと。それと試合前に(グラウンドに)出てくるのが早いというか、準備するのが早いんですよ。前から気になっていたので、それを聞いたら自分のペースでしっかりやりたいからと。ビジターだったら初回に攻撃がパッと終わってしまったら…と考えるそうです」
圧倒的なオーラを身にまとう田中将には、なかなか踏み込むことができない…。そんな中で、本戦に入った後にチャンスが訪れた。
「ローテーションを回っていく上での調整方法を聞きました。2日前に入るピッチングをどういう意識でやっているのかとか。メジャーは中4日だったので、日本に来て中6日になってそういうところの変化を聞いたりだとか。2日前に入るピッチングは『本当に確認作業』だと。どういう状態なのかを確かめるピッチングだと教えていただきました」
人生において、貴重な経験を積めた日々。ただ、これも野球を続けてきたからこそのもの。実は青柳は、高校進学の際に野球を続けるかどうか頭を悩ませていた。勉強が苦手でどうしよう、中学時代に3年間3番手のまま終わった野球は、これからどうしよう…。
「中学でやめようと思っていたんですけど、僕にサイドスローを教えてくれた小学校のコーチが中学の外部コーチとして来ていて。その人と最後、中学3年の時に勝負したんです。エースも2番手も打たれて、僕だけ抑えられたんですよね。その時にコーチから『このまま頑張ればプロにいけるよ』と言われたので、じゃあ頑張ろうと思って高校でも野球をやろうと」
それから10年以上の月日が流れ、東京五輪野球日本代表の一員として金メダルを獲得した。あの時に野球を諦めていたら、夢のままで終わっていた。
「チームスポーツなので、いろんな人に出会えた、いろんな仲間ができたというのが一番ですね。続けてきた結果プロにもなれましたし、今は1軍で投げさせてもらっていますし、満員の甲子園を知れたというのも素晴らしい経験ですし、代表でこのオリンピックに立たせていただいたというのも素晴らしい経験なので。続けるだけじゃこうまでできなかったかもしれないですけど、やめていたら全てが終わりだったので、続けていて良かったなと思います」
プロ野球選手を夢見る日本全国の少年少女に伝えたい。諦めなければ夢はかなう。努力すれば成長できる。
「中学生の時はプロになるのが夢でした。そんな自分が代表チームに入れるというのは思ってもいなかったことです。中学校のエースになりたい、レギュラーになりたいと思っていたやつが、ここまで来られたので。全く想像することはできなかったですね」
五輪が終わり、セ・リーグ首位の阪神は13日・広島戦(京セラ)から後半戦スタート。前半戦は14試合に登板して8勝2敗、防御率1・79。先発ローテの柱として、大車輪の活躍が期待されている。
「オリンピックではふがいない結果に終わりましたけど、また代表に入って、そこで活躍してというのを目指していきたいなと思いますし、まずはタイガースでしっかり活躍して、優勝の一員になれるように頑張りたいなと思います」
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