阪神“金侍”岩崎に守護神託す スアレス不在で代役 矢野監督明言

 エキシビションマッチ・楽天戦(楽天生命)が降雨中止となった9日、阪神の矢野燿大監督(52)が懸案事項だった後半戦スタート時の投手陣構想を明かした。スアレス不在となるリーグ戦再開当初は、東京五輪決勝でも好投した岩崎を代役ストッパーとして起用。“金メダルセットアッパー”を守護神に据え、好スタートを決める考えだ。また、開幕カードの広島戦(京セラ)は西勇、二保、秋山の先発陣で臨むことも決まった。

 絶対的守護神が不在でも、この男がいれば大丈夫だ。スアレスが球宴出場後、五輪休止期間を利用してリフレッシュのため家族の元へ一時帰国。隔離期間を終えてこの日、チームに合流したが、リーグ戦再開後数試合には、間に合わない情勢となっている。

 そこで代役の守護神に抜てきされるのが岩崎だ。矢野監督は「それが一番すっきりするのかなと。その前(中継ぎ)も固まっているわけじゃないから、そうとは限らないけど、優(岩崎)が一番後ろで投げるのが一番スムーズかなと思っている」と明かす。

 日本中が固唾(かたず)をのんで見守った7日の東京五輪野球決勝戦。虎が誇るセットアッパーは1点リードの八回無死一塁という、しびれる場面で登板した。米国クリーンアップと相対して見事、三人斬り。金メダル獲得に大きく貢献した。

 「投げる側としては1球のミスもできない嫌な場面。これからの優の野球人生にとっても、ものすごい経験になったと思う」。岩崎はこれまで昨季に挙げた2セーブのみだが、大舞台での経験、自信を積み重ねた左腕に守護神の座を託す。

 後半戦スタート時の先発ローテーションも、ほぼ固まった。13日からの広島戦は開幕投手を西勇が務め、二保、秋山が続く。「俺も競争と言っている中で、現状しっかり結果も伴っているというとこでは」と、エキシビションマッチで争った先発枠は、二保がひとまず勝ち取り、及川は前半戦同様、中継ぎに回ることになった。

 17日からのDeNA戦(東京ド)は青柳、伊藤将、ガンケルの予定だが「(一時帰国していた)ガンケルはどうなるかっていうのは分からない。将司(伊藤将)もピリッとしたところを見たいし」と話す。12日のウエスタン・ソフトバンク戦で登板予定のガンケル、この日の雨天中止で同じく2軍戦での調整登板に回る伊藤将は確定までは至っていない。10日・楽天戦の内容次第では藤浪が浮上する可能性もある。

 16年ぶりVへ向けて、絶対にスタートダッシュを決めたい後半戦。侍金メダル左腕・岩崎へつなぐ“勝ちパターン”で勢いに乗る。

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