快勝の阪神「よくも悪くも『足』がクローズアップされた試合」岡義朗の眼

5回、二盗を決める中野=東京ドーム(撮影・飯室逸平)
7回、右前打を放つ佐藤輝=東京ドーム(撮影・金田祐二)
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 「DeNA2-5阪神」(18日、東京ドーム)

 阪神・伊藤将、DeNA・大貫の、投手戦。最後はDeNAリリーフ陣の乱調に阪神打線がつけ込む形で快勝した。本誌評論家・岡義朗氏が、得点シーンとは別の局面で、阪神の“足”がクローズアップされた試合、と振り返った。

   ◇   ◇

 まず1-1の五回、阪神の攻撃で1死から中野が四球出塁した。両投手そこまで好投しており、1点勝負となる可能性も十分あった場面。大貫ももちろん、中野の足には警戒した。けん制を3球入れ、途中、ピッチドアウトもあった。

 それでも中野は、盗塁を成功させた。次打者・梅野の右飛で三塁まで進んだ。6番からの打順。1人出塁することで、六回は1番から攻撃できるから、阪神としてはある意味、気楽だ。

 一方で、DeNAとすれば中野を二塁にやりたくない、と警戒し、その後三塁に進めば、またバッテリーの心的負担も増大する。こうした精神疲労が、大貫の七回途中降板につながったと推察する。

 ただその七回、佐藤輝は先頭打者で四球出塁。次打者・ロハスの三塁後方への飛球を、サード、ショートが捕球できず、インフィールドに落ちた。これをDeNAの遊撃・森が素早く二塁に転送。佐藤輝は封殺された。

 しかしこれは、絶対にあってはいけないプレーだ。佐藤輝に「落ちるかも」とか「落とせ」といった、気持ちの準備があればもっとリードを取ることができ、二塁封殺されることはなかった。

 その裏、伊藤将はオースティンに勝ち越し本塁打を許した。これが巨人、ヤクルトといった上位チーム相手であれば、阪神は負けていた可能性が高い。

 それほど、一つのミスは試合の流れに影響を及ぼすものだ。中野の盗塁も、佐藤輝の走塁ミスも得点シーンではないが、試合を大きく揺さぶった。ワンプレー。一つの走塁を絶対に、軽視してはいけない。

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