【新井貴浩氏の眼】阪神・佐藤輝 普通ならヒット…すごさを見た本塁打

 「DeNA5-4阪神」(19日、東京ドーム)

 あきらめない思いとともに、怪物ルーキーが歴史の扉を開いた。2点を追った九回、阪神・佐藤輝明内野手(22)が左翼席に23号ソロを放ち、田淵幸一と並んでいた球団最多新人記録を更新した。また、118日ぶりに先発で登板した藤浪は、4回2/3を投げ8安打4失点となった。

  ◇  ◇

 ヒットでなく、ホームランにしてしまうあたりが佐藤輝のすごさだろう。本塁打の九回の打席は、まず2ストライクに追い込まれる前にインサイドに落ちるスライダーを空振りした。

 そのボールをケアしながら、ポイントを引きつけ直球を逆方向へホームランにしたわけだが、普通のバッターならヒットまでだろう。DeNA・三嶋は落ちる変化球と共にボールに力がある投手。空振りした変化球に注意を払いながら、直球を反対方向へ軽々と本塁打にするのだから対応力の高さが見て取れる。

 また、藤浪は久々の1軍先発で緊張や不安があったと思う。立ち上がりは直球を連打されたことでカウント球に選んだスライダーの制球に苦しんだ。それでも、梅野からも話があったと思うが、途中からテンポを上げた。

 元々、いろいろなことを考えながら投げるタイプだが、テンポ良く投げることで余計なことを考えず安定感も出た。藤浪は走者を出しても本塁を踏ませなければいいぐらいの気持ちでいいと思う。

 チームは18日のDeNA戦は逆転勝ち。そしてこの日は佐藤輝のソロ本塁打の後も2死二塁まで粘って攻めた。強いチームは終盤での反発力がある。シーズンを戦う上で相手から『簡単に勝たせてくれない』と思わせることが非常に大事となってくる。

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