阪神・西勇 100勝の壁 マルチ安打で奮闘も6度目挑戦届かず「悔しい」
「広島6-4阪神」(27日、マツダスタジアム)
勝利投手の可能性が消滅した瞬間、阪神・西勇は三塁ベンチの最前列で大粒の汗を拭った。6回7安打3失点で9敗目。プロ通算100勝へ6度目の挑戦でも届かず、自己ワーストの6連敗と苦境は続く。
「チームの勝利のために全力で腕を振っていきたいと思います」と誓って臨んだ先発のマウンド。勝負の分かれ目は1点リードの四回だった。坂倉に同点の右前適時打を浴びると、菊池涼に勝ち越しの適時二塁打を献上。一気に逆転を許した。
五回と六回は無失点に抑え、バットでも自身プロ2度目のマルチ安打と奮闘。だが、勝利には結びつかない。「ここ最近の登板の中では修正して投げることができました。ただ、先発としてリードを許した展開でマウンドを降りてしまい悔しいです」と振り返った。
通算99勝目を手にした6月18日・巨人戦の後、今も暗く長いトンネルに迷い込んでいる。矢野監督は「本当に何とかしようっていう。今日はさらにそういう思いを持って投げてくれたのがよく分かった。どこかできっかけをつくってもらいたいピッチャーなので」と完全復調を願った。
次回は9月3日・巨人戦(甲子園)に先発する見通し。今季3勝1敗で防御率2・57と好相性の宿敵を倒し、エースの意地を見せてメモリアル星をつかむ。