甲子園で勝て!!虎Vへの絶対条件 10度目寒封負け、今季勝率5割
「阪神0-2広島」(28日、甲子園球場)
そらわずか2安打でミスも出たらアカンよ…。阪神は今季10度目の完封負けを喫し、重要な本拠地6連戦の初戦を落とした。打てない打線だけでなく、五回にはリーグワーストの79失策目から追加点を奪われる苦しい展開。優勝した年は甲子園で圧倒的な成績を残してきた猛虎。悲願のVへ、聖地で負ける姿は見たくないんや-。
今年の虎は不思議と甲子園でバットが湿ってしまう。この夜も鯉投手陣を打ちあぐね、スコアボードにゼロが9つ並んだ。首位浮上を期待したスタンドの虎党はため息の連続。今季10度目の完封負けに時には怒号が飛び交い、矢野監督も険しい表情を浮かべる。
「点を取らんとね。どうしようもないし、内容自体もちょっとさみしいかなという内容なので。打線かな」
先発・床田の前に打線がわずか2安打と抑え込まれた。二回無死一、二塁の好機でサンズが左飛に倒れると、後続の佐藤輝、梅野は連続三振。2点を追う六回も1死一、三塁と追い上げムードを高めたが、頼みの4番・大山は投ゴロ、糸原も投直に終わった。8月29日(マツダ)の対戦に続いて、左腕に白星を献上してしまった。
先週末、東京ドームでの巨人戦を2勝1分けと勝ち越して本拠地に帰ってきたが、波に乗りきれない。過去のリーグ優勝を振り返っても、甲子園では1985年が勝率・672。03年は勝率・754、05年も勝率・625と圧倒的な成績を残してきたが、今年は24勝24敗3分け、勝率・500にとどまっている。
甲子園でのチーム打率は・238と、今季の同打率から約1分ダウン。本拠での勝率5割超えがVの絶対条件だけに、地元ファンの熱気を力に変えられない現状がもどかしい。
チームの課題も改めて浮き彫りとなった。三回、バント処理した秋山が悪送球でピンチを広げると、五回無死二塁の場面でも同じくバントをさばいたマルテが一塁へ悪送球。これが2失点目につながり、チーム失策数は12球団ワーストの「79」に。球場が広くロースコアの展開になりやすい本拠地で、結果的にミスで自らの首を絞めてしまった形だ。
首位・ヤクルトが9連勝と勢いに乗る中、虎にとっては痛恨の黒星となった。条件次第では、最短であす30日にも自力優勝の可能性が消滅してしまう。今週は甲子園でのゲームが続く。昨季36勝18敗3分け、勝率・667の好相性を誇った強さを取り戻したい。