阪神・矢野監督「チャレンジャー」 勝負手八回岩崎打たれた 鯉に3タテ食らった

 広島に3連敗を喫し、ガックリの矢野監督
 8回、小園に決勝ソロを浴びた岩崎
8回、小園にソロを打たれ、ベンチの矢野監督は腕組みをし打球の行方を見る(撮影・山口登)
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 「阪神4-5広島」(30日、甲子園球場)

 あまりにも痛い同一カード3連敗だった。必死の粘りを見せた阪神だが、同点の八回にセットアッパーの岩崎が打たれ惜敗。首位のヤクルトが敗れていただけにゲーム差を詰められるチャンスだったが、その差は変わらず1ゲーム差のまま。9月を10勝9敗4分けで終え、いよいよ迎える勝負の10月。16年ぶりの悲願へ気持ちを切り替え、全てを出し尽くす。

 1点を追う八回の攻撃。代走・植田が当たり前のように二盗を決め、無死二塁の同点機を演出した直後に首位・ヤクルト連敗の一報が入った。まずは何としても追いつきたい場面。いやが上にも甲子園のボルテージが上がる。

 だが、しかし…サンズがボール球に手を出す形の空振り三振。続く小野寺の遊ゴロで2死三塁となったが、期待の代打・糸井も力ない二ゴロに打ち取られ、またここぞでの“一本”が出ずに終わった。

 九回は広島の守護神・栗林を攻め立て、2死一、二塁と再び訪れた同点機も最後は大山が遊ゴロに倒れてゲームセット。優勝争い終盤に3タテを食らい、「今はかみ合わないんでね。競って、競って、競ってで、あと一本が出ないっていう…。そうなるとやっぱりピッチャーもプレッシャーがかかる。そういうところに原因があるかな」。矢野監督は険しい表情で、苦しいチームの現状を分析する。

 七回にマルテの適時打で追いついた直後の八回。小園に決勝弾を浴びたのは、まさかの岩崎だった。この日の試合前の円陣。声出しを担当したのは表彰式があり、珍しくベンチにいた岩崎。「今日はカツを入れに来ました。“カツ”と言っても“勝つ”の方です。勝ってみんなを喜ばせましょう」とチームに気合を入れたのだったが…。

 「優(岩崎)だって円陣の時に声を出したりとかさ。みんな必死にやっている中の、勝負に行っている中で結果として受け止めなしゃあないし、うん。残りの試合で、また頑張ってくれたらなと思います」。指揮官はもちろん、ここまで何度も勝利に貢献してきた左腕を責めることはしなかった。

 首位ヤクルトが足踏みする中で、それを上回るよもやよもやの下位チーム相手の同一カード3連敗。「俺らはチャレンジャーなんで、向かっていく姿勢がより問われる。みんなでより高めながら、苦しい中から自分らでチャンスを見いだせるような戦いをしていかないと」。いよいよ勝負の10月だ。虎よ、今こそ再び心を燃やせ。歯を食いしばって必死に前を向け!

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