阪神・岩田稔が引退会見「1型糖尿病でも何でもチャレンジできる」【一問一答】

引退会見で号泣する阪神・岩田稔
引退会見で号泣する阪神・岩田稔
引退会見で号泣する阪神・岩田稔
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 阪神の岩田稔投手(37)が1日、兵庫県西宮市のホテルで引退会見を行った。会見での一問一答の後半は以下の通り。

  ◇  ◇

 -WBC日本代表としても世界一に。

 「あんな大舞台の日本代表に入れるなんて全然思っていなかったので。そういうを経験できて、世界一ということと、優勝できた喜びと。シャンパンファイト楽しかったです」

 -16年間で記録した60勝については。

 「全然、少ないなと思います。あれだけ先発させていただいて、そんなに結果も残せなかった。やっていたのもちょっとだけしかなかった。そこはもっとできたのかなと思ったりします」

 -病気の人たちにも勇気を与える60勝。印象に残る試合は。

 「最初の初勝利からとても印象が残っているんですけど、僕の中では2009年の9月9日の甲子園での中日戦ですね。その日の登板前に長女が生まれまして、その生まれた長女が完封で勝たせてくれたのかなと。とても印象深い試合でした」

 -お立ち台にも上がった。

 「いやあもう、嬉しすぎてその時は言う言葉が恥ずかしくてという思い出があります」

 -高校時代から1型糖尿病と闘ってきた。

 「高校生の時に糖尿という病気を、入院したり、色々大変だったりしたんですけど、病院の先生から病気でも何でもできるよと言っていただいて、ジャイアンツのビル・ガリクソンという投手の本を読んで、自分もやっていけるわ、という思いにしてもらいました。そして大学に進学して、タイガースでお世話になる時、入団の時にも言ったんですけど、患者の希望の星になれるように、はい。頑張ることができたかなと思いますね」

 -希望の星になりたいという思いが原動力。

 「そうですね。それがないと、こんなに長いことはできていないです」

 (1型糖尿病のIDDMネットワークの井上理事長からメッセージ)

 「こういう活動をさせてもらったんですけど、なかなか1人ではできることではない。たくさんの方の支えがあって、基金を立ちあげることができた。逆に僕はすごい携わってくれた人に感謝しかないですね。これから次も次のステージに移行する時も一緒に頑張っていけたらなと思います」

 -多くの活動がある中で、希望の星を体現してきた。1型糖尿病の方へメッセージを。

 「僕がプロの野球の世界で16年も勝負できたので、1型糖尿病でも何でもチャレンジできると思います。頑張って欲しいです」

 -今後の予定は。

 「これからのことはちょっとまだ先分からないんでひとまずゆっくりしながら考えていきたいなと思います」

 -チームは16年ぶりのリーグ制覇に向けて頑張っている。選手にメッセージを。

 「僕が入って、一度も優勝経験がない今の現状ですけど、16年という月日の中で色んな選手が優勝に向かって、突き進んできてくれているので。今、優勝争いをしているのがすごい僕自身も楽しませてもらったり、そこに少しですけど加われたりして。ぜひ優勝してほしいです」

 -ファンへ向けて。

 「16年間、熱い声援をありがとうございました。引退はしますが、また新しいことに僕もチャレンジしていくので、引き続き声援、応援のほどをよろしくお願いします」

 (囲み取材)

 -節目でいろんな涙があった。今日の涙はどんな思いがあるか。

 「(涙を流して)自分自身ではよくやってきたと思います。こうやって長くできたのはホントに家族の存在があったからです」

 -恩師の大阪桐蔭・西谷監督、スカウトとコーチとして接してきた山口高志さんへの思いや、どんな言葉をかけられたか。

 「西谷先生に関しては『報道で見たよ、ようやったなあ。正直、病気もあったし、こんなに長くやってくれるとは思わなかった。大万歳や』と言ってもらいました。この世界にスカウトしていただいた山口さんも同じように病気を持ってたのにスカウトしてタイガースにドラフトで指名してくれて、僕自身が山口さんに対して感謝の気持ちが強いんですけど『お前のおかげで楽しませてもらったわ、長い間お疲れ様』と言っていただきました」

 -手術もあった。周りにどういうプレーを見せたかったか。

 「やっぱり入団する時に希望の星になりたいという言葉を発したので、その言葉に負けないように、諦めないという気持ちを見せていきたかったので、16年間でしたが、少しは証明できたかなと思います」

 -引退報告した中で印象に残る言葉は。

 「たくさん連絡させていただいたんですけど、みんな、ホンマに引退するんかという言葉をかけてもらったり、西武のおかわり(中村)剛也には、僕が(プロに)入って16年間、電話とかしたことなかったんですけど…(涙を流して)言葉にあまりちゃんと思いを乗せられなかったかもしれないですけど…『先に引退するわ』と言ったら『お疲れさん』と言っていただいて。アイツにもすごい成績残してくれてるし、どでかいホームランも打たれましたし、いい思い出です」

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