【新井貴浩氏の眼】阪神 勝負の10月4番は大山
「阪神5-2中日」(1日、甲子園球場)
まさに4番の一発だ。先制2ランの阪神・大山は3ボールからストレートを見送った後、直球を一振りで仕留めた。ファーストスイングで捉えた見事な素晴らしいホームランといえる。
間違いなく状態は上がっている。二回の第1打席も結果こそ右飛だったが、右打ちをしようとして打った打球ではない。ライトへ引っ張ったような強い打球。この日の打線の1巡目を見ても大山の内容が一番良かった。優勝争いへ、勝負の10月。今を考えながら先の未来を考えた時、タイガースの4番は彼だ。
そして、チームは残り19試合となった。ヤクルトとの直接対決は残り5試合。今は第4コーナーを回り、最後の直線をラストスパートしている状況だ。私も経験があるが、相手の勝敗を気にしたり、星勘定をしてしまいがちになる。
だが、大事なのは他力でなく自力で優勝するという気概。たとえ転ぼうが、這(は)いつくばろうが、先にゴールテープを切るんだという強い気持ちだ。