阪神1位・森木、火の球継承 同郷・球児のような「日本を代表する選手に」

 プロへの意気込みを色紙にしたためた高知・森木(撮影・鳥井裕二)
 阪神から1位指名を受け、チームメートらと“ラパンパラ”で喜ぶ高知・森木
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 「プロ野球ドラフト会議」(11日、都内ホテル)

 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が11日、東京都内のホテルで行われ、阪神はドラフト1位でDeNAと競合になった小園の交渉権は逃したものの、“外れ1位”で森木大智投手(18)=高知=の交渉権を獲得した。同郷の藤川球児SA(41)に憧れて野球を始めた右腕。“火の玉ストレート”を目標に、一流の選手になることを誓った。

 自身の名前が呼ばれた瞬間、マスク越しの森木の表情がほんの少し緩んだように見えた。「選んでいただいてホッとしています」と、万感の思いを込めて第一声を発した。

 「選んでいただけるのか不安もあった」。12球団1巡目指名の中に自分の名前はなかった。同じ高校生の小園&達が先に指名され、硬い表情で目の前のモニターを見つめ続けた。“外れ1位”で指名を受けても、多くの報道陣に囲まれての会見中も、大きく表情を変えることはなかった。それでも別室で待機していたチームメートに祝福されると、ようやく笑みがこぼれた。

 阪神とは浅からぬ“縁”がある。小学校に入学する前、まだ野球も始めていなかった頃に、テレビで見た藤川の投球に目を奪われた。「かっこいいな。あんなボールが投げられるようになりたい」。2006年のオールスターで西武のカブレラに対し直球を予告した動画は何度も見返した。中学3年時には軟式球で150キロを計測し、高校3年時には最速154キロをマーク。真っすぐを磨き続け、追いかけた“火の玉ストレート”に「(プロで)近づけるように努力したい」と誓った森木。憧れの先輩と対面した際には「真っすぐを投げる時の感覚を聞いてみたい」と言う。

 一番好きな言葉には「下克上」を挙げた。“外れ1位”からのスタートにはぴったりの言葉だ。それでも高校3年間で甲子園出場は果たせず、大きな悔しさを味わった。これからはその聖地がホームグラウンドになる。「投げられる機会があるのはとてもうれしいですし、この環境でできることはなかなかないこと」。タテジマに袖を通して立つ聖地のマウンドを思い描いた。

 対戦したい打者には「日本を代表するような、結果を残しているバッター」を挙げた、と同時に、プロでの目標を「日本を代表するような大きな選手なりたい」と言い切った。ずっと目標に掲げていた「ドラフト1位」とは少し違った形になったが、勝負はこれから。どでかい夢を思い描き、プロの世界に飛び込む。

 ◆森木大智(もりき・だいち)

 ◆生まれ 2003年4月17日生まれ、高知県出身

 ◆サイズ 184センチ、87キロ。右投げ右打ち

 ◆球歴 小学1年からソフトボール、3年時に高岡第二イーグルス(軟式)で野球を始め、内野手、捕手、投手を務めた。高知中3年時に春夏の全国大会優勝。夏に愛媛・坊っちゃんスタジアムで軟式球ながら150キロを計測。高知高では1年春の四国大会からベンチ入り。3年春に自己最速の154キロを記録。最後の夏は県大会決勝で明徳義塾に敗戦。「あの負けた悔しさは一生残ると思う」。甲子園経験はなし

 ◆趣味 夜の散歩。自宅の周辺を約1時間かけて歩く。「考え込んでしまうときとかリフレッシュできる」。野球以外で好きなスポーツはバレーボール

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