矢野ガッツ爆発 阪神1点ドロー26日甲子園Vあるぞ 坂本V打「うれしいよね」
「広島1-1阪神」(23日、マツダスタジアム)
勝てなかったが、チーム一丸でつかみ取ったドローだ。近本を欠くなど万全の状態ではない中、七回に同点に追い付いて引き分けた結果に、阪神・矢野燿大監督(52)は選手の粘りをたたえた。デーゲームで巨人に敗れたヤクルトとはゲーム差なしに迫り、マジック「3」も変わらないまま。両リーグ通じて今季最多勝利数も確定した中、最短26日の甲子園での逆転Vへ、望みをつないだ。
“手負いの虎”が執念を見せた。勝つに越したことはなかった。それでもヤクルトは巨人に大敗して引き分けを挟んで3連敗。この引き分けでついにゲーム差はなくなり、V争いの行方はいよいよ分からなくなってきた。
前向きに捉えられる引き分けか?そう問われた矢野監督は「俺はそう思っているよ。(相手先発が)森下で打線が苦しい中で。投手陣が本当によく粘ってくれて」。やや高揚気味の指揮官は、自ら今後のV条件を報道陣に確認する場面もあったほどだ。
三回まで一人の走者も出せなかった、難敵・森下をつかまえたのは、1点を追う七回2死走者なしからだった。まずはロハスが粘って四球をもぎ取る。佐藤輝が左前に運ぶと、ロハスの激走で一、三塁に。9試合続けてスタメンマスクをかぶる坂本が打席に入った。
「あそこで誠志郎(坂本)が打つか打たんかが一番大きなポイントだった。もちろん代打をどうしようかなっていうこともよぎったけどね。期待に応えてくれてうれしいよね」
坂本の放った一打が、二塁・菊池涼の上を越えると、阪神ベンチが沸きに沸く。指揮官は右手を上げながら“矢野ガッツ”で喜びを爆発させた。
この日は21日の中日戦で負傷交代した近本がスタメンから外れ、不振の大山もベンチスタート。糸原、マルテ、木浪でクリーンアップを組むという、苦肉の策とも言えるオーダーで森下に対した。
それでも負けなかった。ヤクルトのマジックは「3」のままとなり、24日のV決定も阻止。さらに阪神が残りを2連勝で終えると、ヤクルトが残り4試合を2勝2敗でも阪神の逆転Vとなる。一時の勢いを失っているヤクルトには、相当なプレッシャーとなるドローになったはずだ。
「この一番最後のところでけがや調子の良くない選手もいるけど。そんなん関係なくね、目の前の試合をどう戦っていくかというのを考えていくしかない」と矢野監督。阪神、ヤクルトともに最短Vは26日。もはや甲子園での逆転Vは“奇跡”ではなくなってきた。
◆阪神&ヤクルト共に最短V26日 ヤクルトが巨人に敗れ、阪神が広島に引き分けたため、両チームとも最短優勝は26日となった。阪神が逆転優勝する条件は24日・広島戦と26日・中日戦に勝利。かつ、ヤクルトが24日・巨人戦と26日・DeNA戦に敗れると、阪神が、優勝マジックを点灯させることなくリーグVが決まる。