阪神 相手の佐藤輝対策を投手目線で分析 中田良弘氏の視点
「広島2-7阪神」(24日、スタジアムマツダ)
阪神が引き分けを挟んで4連勝と波に乗っている。その波をさらに高くしたのが、佐藤輝の約2カ月ぶり一発となる先制24号3ランだった。シーズン途中、大きな不振を経験したとはいえ、魅力に陰りはない。デイリースポーツ評論家・中田良弘氏は、その魅力をさらに増幅させるべく、投手目線からの提言を行った。
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佐藤輝に対するピッチャーが大切にしていることは、総じて“カウント作り”だと感じる。ボール球に手を出すケースが多い分、追い込んでいけば三振を取れる確率が大きく高まるからだ。
では24日の試合はどうだったか。第1打席は1-2と追い込まれたが、半速球が甘く入り、これを捉えての先制3ランとなった。ボール球を投げてこなかったところに佐藤輝の勝機があった。
第2打席はフルカウントから2球粘って、右飛。第3打席もフルカウント。ここは四球。そして第4打席、2-2から2球ファウルを続け、右前打。
この日、まずまずの結果を残せたのは、広島投手陣がストライク勝負を挑んでくれた、というツキもあった。
この日で佐藤輝が選んだ四球は25個。ここまで打率はリーグ31位だが、佐藤輝より上の30人の中で、これ以下の四球は広島・小園とヤクルト・オスナのわずか2人だ。
やはり、選球眼のいいバッターは、投手としては本当に嫌なものだ。この日、どう感じたか不明だが、四球の次の打席、相手投手のストライク勝負でヒットにつながった。これを大きなヒントにしてもらいたい。
来季のことを考えれば、選球眼が大きな成長ポイントとなる。それまでキャンプや自主トレで、味方のピッチャーがブルペンに入ることも多い。そこにどんどん足を運べばいい。そうすれば必ず、ゾーンというものを体で覚えられ、選球眼は良くなる。
ボールさえ振らなければ、今季を大きく上回る成績を残せるはずだ。