阪神・及川 先発再挑戦を熱望 奥川&佐々木朗希に「早く追いつき、追い抜きたい」
「阪神秋季練習」(11日、鳴尾浜球場)
阪神・及川雅貴投手(20)が11日、来季は先発に再挑戦する意欲を示した。1軍初登板を果たした今季、全て中継ぎで39試合に登板。同じ高卒2年目ながらローテ入りを果たしたヤクルト・奥川、ロッテ・佐々木朗と自身を比較して「天と地の差」と謙遜しながらも、両者に負けじとエース道を歩んでいく覚悟だ。
高卒2年目ながら虎のブルペン陣を支えてきた及川は、「まさかこんなにずっと投げられるとは」と自身にとっても想定以上だったシーズンを駆け抜けた。中継ぎとして培った今季の経験。これを自信に、来季は先発ローテ入りを狙う。
「今年は中継ぎを経験できた。去年は先発をやっていたので、中継ぎの経験を、先発で生かしていきたいなとは思っていますね」
1年目の昨季は2軍で主に先発として登板を重ねてきたが、初めて1軍に昇格した今季はチーム事情もあって中継ぎに徹した。39試合の登板で2勝3敗、防御率3・69。最初はビハインドの場面で登板が多かったが、徐々に僅差の展開やリードした場面でも起用されるなど首脳陣の信頼を勝ち取ってきた。
今夏のエキシビションマッチでは先発も経験し、5回2安打1失点。その際、矢野監督も「先発で見てみたい」と期待を寄せていた。来季に向け、今後は先発挑戦の希望を持ちつつ、中継ぎで起用されることも考慮しながら両にらみで調整を続けていく。
エース道を歩む高卒の同期たちにも刺激を受けている。及川とともに「高校BIG4」と呼ばれたヤクルト・奥川、ロッテ・佐々木朗が今季は1軍で先発の一角に定着した。しかも2人はチームのCS初戦の“開幕投手”を任されて好投。「(投球が)えぐい」と投球の完成度の高さに驚かされたという。
奥川、佐々木朗と自身を比較して「今の立場じゃ全然、天と地の差」と及川は断言する。それでも負けるつもりはない。「2人はエース格並みにローテで回っている。なるべく早く追いつきたいし、追い抜きたい。まずは自分のことだと思うのでそこからですね」と負けじとエース道を突き進むつもりだ。
秋季練習初日となったこの日、鳴尾浜でキャッチボールやアメリカンノックで調整した。今オフは「投げ込み量を増やす」ことをテーマに掲げる左腕。来季の先発ローテ定着へ、戦う土台を形成していく。