阪神・大山、左翼コンバート 矢野監督明言 主砲の反骨心にも期待「悔しいと思うよ」
「阪神秋季練習」(15日、甲子園球場)
阪神・矢野燿大監督(52)が15日、秋季練習が行われた甲子園で取材に応じ、大山の“外野コンバート”を明言した。本職の三塁、一塁をメインとしながらも来季、外野での起用を示唆。今季4番&主将を担った男の反骨心にも期待を寄せつつ、V奪回を目指すチームの骨格を築いていく。
シートノックが始まると、大山は左翼の守備位置へ走った。慣れないポジションでも、取り組む姿勢は真剣そのものだ。前方のゴロに対して猛チャージをかけ、全力で飛球を追った。
「来年の春、外野もレフトを試したいなというのがあって。サード、ファーストがメインの中でチームの編成でレフトもやれると悠輔(大山)も打席に立てるわけだし。“守れるんだな”というのがこっちにあると、俺的には助かるし、チームのためにもなると思うから、悠輔と話し合ってやっていこうと」
練習後、矢野監督が明かしたのは驚きの外野コンバート案だ。大山は外野で17、18年、20年に計22試合に出場しているが今季は出場なし。来季のチーム編成を見据え、指揮官が大きな決断を下した。
矢野監督が強調するようにメインは本職の三塁と一塁だ。強肩で柔らかいハンドリングにも定評がある。ただ、失策数は昨季の6から今季10に増加。記録に残らないミスもあり、CSファーストSでは失点につながる失策を犯してしまった。
ただ本人は三塁守備の向上にも励んでいる。この日も午前9時半頃にグラウンドへ一番乗りし、早出特守を志願。田中2軍内野守備走塁コーチの指導を仰ぎながら、三塁でノックを受け続けた。
矢野監督は「そりゃ悔しいと思うよ。(本人は)サードでやりたいし、それは持っておいていい。レフトをやりたくてっていうことじゃないと思う」と大山の心境をおもんぱかり「レフトで打ってサードに戻ることもあると思うし。そういう悔しさを持ってチャレンジしてくれればいい」と“不動の三塁”奪回にも期待を寄せた。
もちろんV奪回を狙うチームに大山は欠かせない存在だ。今季は好不調の波は激しかったとはいえ、129試合の出場で打率・260、21本塁打、71打点をマークした。三塁か、一塁か、それとも外野か。「全体のことを考えてやっていってくれたら、お互いのためになるかなと思う」と矢野監督。主砲の力を最大限に引き出し、勝負の4年目へ向かう。