阪神に足りない“内野は専門職”の意識 岡田氏「取れるアウトしっかり取れていない」

 二遊間の強化が来季のカギとなる
 二遊間の強化が来季のカギとなる
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 阪神は今季も悲願の優勝には手が届かなかった。前半戦の独走状態からヤクルトに逆転されたチームの課題はどこにあるのか。優勝へのカギは何か。レジェンドOBたちが提言する。2005年の優勝監督・岡田彰布氏(63)は22日、守備部門で専門性を高め、取れるアウトを確実に取る重要性を説いた。

 ここ数年の課題となっている守備だが、選手たちはここまでノックの数も受けていると思う。12球団ワーストとなるエラーの数というのは、攻めた上での失策もあると思う。ただ見ていて感じるのは、「取れるアウトをしっかり取れていない」ということだ。

 日本シリーズを見ていても、オリックスとヤクルトはきっちり併殺を取れるところで取れている。余計な走者を残さないことでゲームが引き締まり、簡単に相手に流れを渡さない。両チームの野球と阪神を比較した場合、取れるアウトを取れなかったことで相手に流れを渡したケースが多かったように思う。

 来季に向けて課題となるのは、まず二遊間の強化だ。糸原の年齢を考えれば、これから動きのスピードが向上していくのは難しい。阪神の監督を務めていた時から、ディフェンスの要となるショートとセカンドは守備を最優先にしていた。

 今季のセ・リーグを見ても、打率3割を残したバッターは7人。3割を打てるなら守備に目をつむってもいいかもしれないが、センターラインに関しては守りから入っていくべきだと考える。そして内野の各ポジションは“専門職”という意識を持つべきだ。

 内野だから、外野だからということではなく、二遊間と一、三塁では動き方も飛んでくる打球の強さも違う。両コーナーはハンドリングが重要視されるし、二遊間は動くスピードが必要。その原理原則を考えれば簡単にポジションを動かすべきではないし、専門性が失われることで、確実に取れるアウトを取れない要因にもなっているのではないか。

 試合前のシートノック一つにしても、甲子園は本拠地とはいえ天候によって土の状態は変わる。ボールの転がり方は決して均一ではない。ここ数年、シートノックをやらない日がある中で、果たして試合前の準備はきっちりできているか-。これも専門性といえる部分であり、ディフェンス面を強化していくためには何が必要かを見直してほしい。

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