阪神・西純、千賀投法を学ぶ 来季1軍定着&10勝へ 理想の空振り取れる投手に

 阪神の西純矢投手(20)が25日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、50万増の1250万円でサインした。今季は5月19日のヤクルト戦(甲子園)でプロ初登板初勝利を挙げるも、その1勝に終わった。来季は10勝を目標に掲げ、ソフトバンク・千賀のフォームを参考に、空振りが取れる投手を目指す。(金額は推定)

 紺のスーツに青色のネクタイを締め、髪の毛もさわやかに整えた。ちょっぴり大人になった西純が、来季の目標を語る。「来年は1軍に定着して、10勝を挙げられるような活躍ができたらいいなと思います」。勝負の高卒3年目へ、堂々たる宣言だ。

 今季は酸いも甘いも経験した。5月19日のヤクルト戦(甲子園)でプロ初登板初先発すると、5回無安打無失点でプロ初勝利。ただ、6月6日の交流戦・ソフトバンク戦(甲子園)では3回3失点と制球にも苦しみ、その後はファームでも苦悩の日々が続いた。

 「勝つことはできたんですけど、悔しいシーズンだった」。プロ初星のうれしさよりも、悔いが残った。

 「課題はコントロール」と明確。改善のために、秋季練習では「ドライブライン」が考案した、重さの異なるプライオボールでの「壁当て」を新たに導入。エンゼルス・大谷も取り入れる練習だ。

 さらに投球フォームはソフトバンク・千賀を参考にしている。「すごくいいフォームで投げられている。トリプルエクステンションを作るのがうまくて、見ていて勉強になる」。速球派の投手に共通する動きを体に染みこませ、フォームのばらつきを減らす狙いだ。

 理想は空振りが取れる投手。今季序盤は打たせて取る投球を心がけたが「自分の魅力がなくなってしまう」と気づき、原点回帰。「自分の持ち味」ともうぶれることはない。

 高校時代に「高校BIG4」と称されたヤクルト・奥川、ロッテ・佐々木朗、同僚の及川と常に比較された。それでも、西純は西純だ。自分の理想を追い求め、何度も試行錯誤を繰り返し、成長していく。その先に、「1軍に定着して、10勝を挙げる活躍」が待っている。

 ◆トリプルエクステンション 下肢三関節(足首、膝、股関節)が同時に伸びること。投球時にこの動作がうまければ、強いパワーを生み出し、威力のある球を投げることができる。

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