【阪神ドラフト選手特集・桐敷拓馬(3)】ドラフト指名で吹っ切れた10・16完全試合
10月のドラフト会議で阪神から指名を受けた8選手(1~7位、育成1位)の連載。3人目はドラフト3位・桐敷拓馬(22)=新潟医療福祉大。
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桐敷の名前が一気に注目される試合があった。阪神から3位指名を受け、初登板となった10月16日の関甲新学生野球秋季リーグ戦の平成国際大戦。これぞ4年間の集大成、仲間への感謝を込めた快投だった。
「ドラフト前までは指名されないかという不安が正直、頭にありました。ドラフトで指名していただいて、吹っ切れたというか、そういう状態で臨めたのかと思います」
ひたむきに取り組んできた左腕を野球の神様は見逃さなかった。力強い直球と切れのある変化球で目の前の打者を次々にねじ伏せていく。鵜瀬亮一監督は「桐敷という投手は自分の将来のこととか、勝ち星のためにマウンドに上がったのではなくて。チームを勝たせたい、チームのために100%を出したいという気持ちを一番に考えている。それが、あのような投球につながったと思います」と振り返る。
九回2死まで一人の走者も許さず、27人目の打者を直球で見逃し三振。1993年のリーグ発足以降、誰も成し遂げていなかった完全試合を達成し、19三振を奪った。
大学入学後から着実に成長していった。原動力となったのが計り知れない探求心。「球速を上げるには、制球力を高めるには、どうしたらいいのか」。ネットで調べ、本を読むなどして研究。キャンパス内にあるウエートルームなどで、黙々とトレーニングする桐敷の姿がよく目撃された。
高校3年時に130キロ後半だった球速は、大学4年になると150キロを計測。鵜瀬監督は「注目されだしてもおごらずに、悪い結果が出ても言い訳しない。一個一個の課題に向き合っていた。そういった性格の強さや精神的な強さが、彼を一番成長させたのではないかと思います」と語る。
エースとなり、プロへの切符をつかんだ大学4年間。高校時代は届かなかった聖地が、これからは主戦場となる。「高校の時は甲子園に立てなかった。甲子園のマウンドに立ったら、思いっ切り結果を恐れずに投げたい」と左腕。投手一筋で歩んできた桐敷が、大舞台のマウンドで躍動する。
◆桐敷 拓馬(きりしき・たくま)1999年6月20日生まれ、22歳。埼玉県出身。178センチ、90キロ。左投げ左打ち。投手。屈巣小1年から屈巣ニュースターズで野球を始める。川里中では行田シニアに所属。本庄東では1年夏からベンチ入り。新潟医療福祉大は1年秋からリーグ戦登板。直球の最速は150キロ。球種はスライダー、ツーシーム、チェンジアップ、フォーク。
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