阪神・藤浪 「完全なエゴで」先発一本 初の開幕投手も復活ならず6年連続減俸
阪神・藤浪晋太郎投手(27)が8日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1100万減の年俸4900万円でサインした。9年目の今季は初の開幕投手を務めたが、21試合の登板で3勝3敗4ホールド、防御率5・21に終わった。16年の1億7000万円から6年連続ダウン。節目の10年目を迎える来季、先発一本で挑む覚悟を口にした。(金額は推定)
3年目オフに1億7000万円に達した年俸が、ついに4900万円までダウンしてしまった。6年連続減俸。藤浪は「正直、もちろん悔しい」と唇をかみ、巻き返しを期した。
「数字を出せない以上、給料が下がるのは当然のことなので受け止めています。それに対してクソッていう気持ちもありますし、取り返してやろうと、やってやろうという気持ちではいます」
もどかしい1年だった。3月26日のヤクルトとの開幕戦(神宮)で初の大役を務めると、4月16日のヤクルト戦では自身初の甲子園アーチを放ち、1450日ぶり“聖地星”をゲットした。復活の機運が高まったが、制球面に不安をのぞかせ、同24日に2軍降格。その後はチーム事情によって先発、中継ぎと役割を変えて1、2軍を往復し、最後まで居場所をつかめなかった。
「結局どっちつかずと言いますか、はっきりとした数字を残せなかったので、いいシーズンとは言い難かった」
ここ数年の低迷から、中継ぎ転向を勧める声も耳に届いている。それでも藤浪は会見中、「先発」の二文字を20回繰り返し、こだわりを強調した。
「自分は先発だという意識は強い。完全なエゴで先発をやりたいというのもありますし、そのエゴを通せないような実力なら、中継ぎでも大した成績を残せないと思っている」
ローテ定着へ、課題は引き続き制球力だ。今季21試合で48回1/3を投げ、40四球4死球を与えた。1試合換算で8・2四死球。「5回で80球とか100球を投げていたら代えられてしまう。少ない球数で余計なボールを減らすのが課題だと思う」。安定感を増した投球で来春キャンプからアピールする狙いだ。
虎の先発ローテは青柳、秋山、伊藤、西勇にガンケルが続く。先発に転向する及川、3年目の西純、新助っ人のウィルカーソンもライバルとなる。「自分の一番の強みはタフネス。そういうところで勝負できたら」。来季は節目のプロ10年目。覚悟を持って、し烈な先発争いに挑む。