阪神・梅野 残留が「本当にいい選択と思えるのは優勝した瞬間」【決意激白1】
新年の決意「覇」に込めた思いとは-。阪神・梅野隆太郎捕手(30)がデイリースポーツの新春インタビューに応じ、国内FA権を行使せずに残留を決断した時の胸中を激白した。球団と同様に背中を押してくれたファンに恩返しを果たすため、今年こそ「梅野なくして優勝はない」を体現するシーズンにする。チームリーダーとして矢野阪神の先導役を担い、リーグ優勝&日本一を誓った。
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-優勝を逃して2位に終わった昨年。東京五輪では金メダルを獲得した。どんな1年だったか。
「いや~濃い1年でした。もちろん数字とかそういうものは良くないですし、もっともっとチームに貢献しないといけないという思いはあります。個人的にはそういう(悔しい)思いもしましたけど。良いも悪いも評価される世界なので。自信を持ってやる部分ともっとやらないといけない部分が、明確になったシーズンでもあったかなと思います」
-シーズン最終盤は11試合連続で坂本がスタメン出場。自身はベンチスタートだった。
「自分がやるべきことをしっかりやるということしか考えていなかったです。もちろん試合中はチームが勝つためにいるので。それと自分の体を休めるというか…。今まで出ずっぱりだったので。ただ、どうしてもああやって試合に出られない日が固まってしまうと苦しいですし、気持ちはしんどかったです。悔しかったです」
-昨年12月3日。国内FA権を行使せずに残留すると表明した。熟考の末…改めてその決断に至った理由は?
「本当にいろんなものが重なってこういう決断に至ったという感じです。強くなりたい、タイガースでとにかく戦いたいなと。野球人としての選択の中で一番悩む…。悩まないと逆にいけないでしょうし。本当にいい選択だったと思えるのは優勝した瞬間だと思います。そこは本当に大切にしながら戦いたいなと。ファンへの思いとかも含めてです」
-同学年の選手を含めて、周りのチームメートには相談したか。
「していないです。先輩にはいろんな話をしましたけど、同級生には全く。決断するのは結局、自分なので。自分の道で自分の後悔のないように、誰にも言い訳をしないように決めるのが大事ですし、そこが一番かなと思います。逆の立場になってもFA権を取得した選手に何かツッコむことではないなと、改めて思いました」
-ファンから自身のSNSなどに直接メッセージが届いていた。
「それもありますし、つぶやきを目にすることもありました。反対に『出て行きたかったら出て行けば』というようなコメントもありました。それがいいとか悪いとかじゃなくて、結局決めるのは自分なので。残留を後押ししてくれるファンがたくさんいましたし、そういう存在はすごくありがたいなと思いましたね」
-『梅野の残留が一番の補強』と喜ぶファンの声が多くあった。
「それはうれしいです。でも、『一番の補強だ』と言えるのは本当に優勝して結果で返した時だと思っています。自分の口から『そういうことを言ってくれて良かったな』と言えるようなシーズンにしたいなと。それが一番ですかね。結果として優勝できて、その中心としてやって、そうやって言いたいなと。それを目標にやりたいですね。そういう思いをある意味背負って、どこか片隅に置きながらやりたいなというのはあります」