阪神・梅野 青柳のように「貯金を作る投手を増やしていければ」【決意激白2】

 新年の決意「覇」に込めた思いとは-。阪神・梅野隆太郎捕手(30)がデイリースポーツの新春インタビューに応じ、国内FA権を行使せずに残留を決断した時の胸中を激白した。球団と同様に背中を押してくれたファンに恩返しを果たすため、今年こそ「梅野なくして優勝はない」を体現するシーズンにする。チームリーダーとして矢野阪神の先導役を担い、リーグ優勝&日本一を誓った。

  ◇  ◇

 -国内FA権を行使するかどうかを熟考していく中で、新たに芽生えた感情もあった。

 「やっぱり自分の権利なので、今後FAで出る人が悪いみたいな感じになってしまったら…。移籍しやすい環境といったらおかしいですけど、選手というのは本当に頭を抱えて悩むので。移籍すると選手が活躍できる場が増える可能性もありますし、自分の評価が高くされてというのもありますし。そこは難しいところかなと。又吉さんは(中日からソフトバンクに)行きましたけど、そういうのをどんどんどんどんやっていくことも楽しみの一つかもしれないですし。いろんな捉え方が人それぞれあると思いますけど、FAというのはもっともっと大切に。自分の時間としてもっともっと大切に使うのがいいなあと感じた時間でしたね」

 -昨季は青柳、秋山、伊藤将とシーズン2桁勝利を達成した投手が3人。

 「ヤギ(青柳)みたいにあれだけ勝ち星を重ねて負けが少なかったというのは、すごいことだと思います。ヤギって負けが少なかった中でも、例えば打線とのかみ合いが悪くて負けたという試合もあって。どれだけ貯金を作れるか。そういうピッチャーを増やしていければいいなと」

 (続けて)

 「1点取られたらどうしようじゃなくて、ちょっと余裕を持ちながらヤギ自身も投球できたから、こういう結果になっていると思います。あとは頭を使いながら、間を変えながら、タイミングを変えながら。一生懸命に能力以外のところで、知識的な部分でカバーできたところもあるんじゃないかなと。若いピッチャーにもいろんなことをどんどん話してあげて感じてもらって、戦っていければいいかなと思います」

 -東京五輪では金メダルを獲得。想像以上に重圧を感じていた。

 「イメージと現場のギャップはありました。無観客でスタートして終わりまでそういう感じだったので、やっぱり目に見えない重圧だったり。プレッシャーをすごく感じましたし、自分が出ている時も自分が自分じゃないような。いい意味でも悪い意味でもそういう自分がいたなと改めて思うこともあります。終わってみれば金メダルという最高の形で、全員で戦って終われたなというのはすごい思い出で。経験値としてはすごく大きいものが得られたなと。いろんな出場機会だったり、ベンチワークだったり、準備をオリンピックではやりましたし、すごく新たな世界を見たなと思いました」

 -楽天・田中将と共有する時間も貴重だった。ボールも受けた。

 「田中さんの考え方だったり、丁寧さであったり。その中でも大胆さ、アバウトじゃなくて繊細さを一番感じて、準備力であったりも。国際大会で、あれだけメジャーで経験がある方が『こうやっとけばいいだろう』じゃなくて、ある意味不安を持ちながらというか。相手バッターに投げた時に後悔しないようにというスタイルで。田中さん自身もビデオを見て、感じて、それをデータにとって見たりとか。『このバッターはこうした方がいいんじゃないですか?こうしませんか?』という濃い話を短期間でできたので。もっと『大丈夫よ!』と言われるようなイメージがあったんですけど、実際は違ったので、すごく勉強になりました」

 -日本シリーズ第6戦にオリックス・能見が救援登板。元同僚で尊敬する先輩をテレビ越しに応援していた。

 「本当にすごいなと思いますし、やっぱり一緒にやっていたという思いがあるからこそ余計に。勝負師として、勝負人として、あの舞台に立っているところがかっこいいなと思いました。シーズン中は自分たちの試合がある時に他の試合はライブで見られないので。だからこそ野球選手ってかっこいいなとか。こういう舞台で真剣勝負していてすごいなとか。そういう目で能見さんのところに関しては見ていました」

 -17年ぶりのリーグ優勝、37年ぶりの日本一を目指す今季。新スローガンは『イチにカケル!』に決定した。

 「個人的にというよりも、チームが一丸になってというか。その“一”が大切だと思います。個人スポーツじゃないですし、チームが同じ方向を向いて一緒にやるというのは大切なことでしょうし。そこがちょっと(昨年の)後半、いろんな意味で欠けていたのかなと。そういうところはちょっとやっていかないといけないなと。チームとしての一つというところに関しては、大切だと思います」

 -個人的にはどんなシーズンにしたいか。

 「チームの中心として変わらずに引っ張っていく。昨年はファンのみなさんがいろんなメッセージをくれたので。そのメッセージを結果で返して、優勝という報告をしたいです。そういうメッセージを送れるようにやるのが目標です。今までにない経験が毎年毎年できているというのを自分の中で感じているので、今年も感じたことのないことを感じられるようなシーズンになると思っています」

 ◇梅野 隆太郎(うめの・りゅうたろう)1991年6月17日生まれ、30歳。福岡県出身。173センチ、75キロ。右投げ右打ち。捕手。背番号2。2022年度推定年俸1億6000万円。福岡工大城東から福岡大を経て、2013年度ドラフト4位で阪神入団。プロ1年目の14年3月28日・巨人戦(東京ドーム)で初出場(代打)。18年から3年連続ゴールデン・グラブ賞を獲得。昨年は野球日本代表「侍ジャパン」の一員として東京五輪に出場し、金メダルに輝いた。

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