阪神ドラ4前川右京、スコアボード直撃弾連発 球団関係者たまらず“破壊禁止令”
“破壊禁止令”発令や!阪神ドラフト4位・前川右京外野手(18)=智弁学園=が8日、鳴尾浜練習2日目にして初の屋外打撃練習を行った。新人合同自主トレ前としては異例とも言えるロングティーを敢行すると、スコアボード直撃弾を連発した。グラウンドで見ていた球団関係者は、たまらず打球方向の変更を指示したほどで、高卒離れした規格外の強振で早くも衝撃を残した。
暖かい日差しが降り注いだ鳴尾浜に、何度も鈍い音が響き渡る。一塁側ファウルゾーンの芝生と黒土部分の境目付近から、前川が「フンッ」と声を漏らしながらロングティーを敢行。初球からスコアボードに突き刺す“鳴尾浜1号”を放ったかと思いきや、立て続けに直撃弾を放った。
グラウンドで見ていた球団関係者は左翼方向を手で指し、「こっちの方に打てー!」とたまらず“破壊禁止令”を発令。打球方向を変えても鋭い打球を次々と放ち、ラスト1球では懲りずにスコアボードにぶち当てて締めくくった。
52スイング中、8本の柵越えを記録。ただ、「ミスショットとか打球の回転が悪い時があったので、全部きれいに同じ方向に打てるように」と反省した。現在は「どっしりめに構えて、トップから素直に(バットを)出せるように」とフォームを改良中。進化の過程で衝撃を残した。
鳴尾浜での練習開始からまだ2日目。自分の意思で“フライングスタート”を切った。「(練習前から)できたらいいなと。スカウトに『していいですか』と聞いて、『いいよ』と許可をもらえたので、やらせてもらいました」。視察した畑山統括スカウトも「(この時期のロングティーは)記憶にないな」とポツリ。例年なら新人合同自主トレの2、3クール目で行うメニューであり、異例の強烈な“デモ”となった。
高校通算37本塁打。未来の虎の主砲を担う自覚があるからこその行動だ。今後、プロの球に萎縮してスイングがコンパクトになりすぎることを懸念。「(ロングティーは)飛ばせるポイントで力強く振れる位置とかを確認できる。体を大きく使って振るのにとてもいい練習」と、豪快なスイングを見失わないための手段だった。
9日からは新人合同自主トレが始まる。「まずは自分のパフォーマンスを出していくことが一番大事。持っている力を一日、一日しっかりと出していけたら」。1軍キャンプスタートの可能性もある中、スコアボード直撃弾の快感を手に、アピールを続けていく。