阪神ドラ1森木よ 球道くんになれ 平田2軍監督絶賛の初ブルペン「素晴らしい」
球けがれなく道けわし-。阪神ドラフト1位・森木大智投手(18)=高知=が17日、鳴尾浜でプロ入り初めてブルペン投球を行った。立ち投げで直球にカーブを交え20球を投じ、見守った平田2軍監督は絶賛。この日、死去したことが発表された漫画家・水島新司氏の作品「球道くん」を引き合いに出し、期待をかけた。
ついに剛腕がベールを脱いだ。寒風吹きすさぶ中、森木がプロ初のブルペンに向かう。球団高卒新人が1月の合同自主トレでブルペン入りするのは、13年・藤浪以来。昨年の西純と及川が春季キャンプ中だったことと比較しても、順調にトレーニングが進んでいることをうかがわせた。
「順調に来ていますし、試しに入ってみようと。良いボールを投げるというより、マウンドに慣れることがテーマだったので良かった」
捕手側から熱視線を送った平田2軍監督は「真っすぐの質も素晴らしいし、腕の振りも良い」とうなる。18歳らしからぬたくましい肉体から放たれる剛球に「秋山をほうふつとさせる馬力を感じる」。高卒1年目から4勝を挙げ、今では先発ローテの柱に成長した右腕を例えに高評価した。江草2軍投手コーチも「ピストルみたいですね。ピュワーン!みたいな」と球質を絶賛した。
新たな物語の始まりだ。この日、漫画家・水島新司氏の訃報が届いた。2軍指揮官は、水島氏の代表作の一つ「球道くん」の主人公・中西球道と同じ名字であることから、阪神OBの中西清起氏が親しまれたことを懐かしんだ。その上で怪物新人に期待を寄せた。
「個性豊かな選手を描いてくれて、野球界を盛り上げてくれた。森木も(中西氏と同じ)高知出身だしね。そういう、モデルにもなるような選手が出てくればなと思うよ」と期待。森木も「漫画のようにいくとは思ってないですけど、自分なりの道を歩んでいければ」と唯一無二のストーリーを描く覚悟だ。
1・17は阪神にとって特別な日。阪神・淡路大震災から27年となり、練習前にはチームで黙とうをささげた。重ねたのは、11年・東日本大震災から2年後、楽天が成し遂げた日本一。高知中時代に東北の被災地を訪れた経験もあり、「自分たちが明るい未来を作っていけるように。誰かのためにやることが、プレーの力にもなる」と野球の底力を信じる。
プロの世界で描く森木の物語。険しい道のりでも、ひたむきに白球を追い、虎の主人公へと成長していく。
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