阪神・佐藤輝 アニキの自覚で助言に声掛け 2年目の今年は自分が「会話してあげたい」
良き兄貴分になっテル!阪神の先乗り合同自主トレが29日、沖縄県国頭郡の宜野座村野球場で始まった。佐藤輝明内野手(22)は年下の高卒4年目・小幡に打撃の助言を送り、またドラフト2位・鈴木(創価大)をイジって緊張感を和らげるなど、2年目の自覚を示した。初日は朝から雨が降り続く悪天候だったが、宜野座ドームでの打撃練習で早速フルスイングも披露した。
フリー打撃の打球音が響き渡る昼下がりの宜野座ドーム。佐藤輝が一息つき、バットを肩に担いで向かった先は、一心不乱にティー打撃に取り組む小幡の元だった。ステップ時の形からバットの出し方まで実演を交えながらアドバイス。両者とも表情は明るく、実り多き時間を共有した。
二遊間のレギュラー奪取を狙う後輩は打撃力の向上が課題。背番号8は「全然教えられるレベルに達していないので」と謙遜しながらも、同じ左打者の小幡を思い、「いろいろ技術のことを話すのは好きなので。僕の感覚を伝えた」と高めのボールに対する左手の使い方を助言した。
また、ノックを受けていたドラフト2位・鈴木がボールを後逸すると、「鈴木!」と名前を呼んで“エラー”をイジって場を和ませた。
報道陣からこの場面について質問されると、「ハッハッハ(笑)」と豪快に笑い、「まあそういう雰囲気が、やっぱり向こう(後輩たち)も楽というか、そう思うので。早くそういう雰囲気になればと思います。ルーキーもピッチャー陣にいるので、会話してあげたいなと思います」。周囲を気遣う余裕も生まれていた。
右も左も分からなかった昨春キャンプ。「基本的にみなさん優しかったので、すぐなじめました」と先輩の心遣いに助けられたという。今年は自ら率先して明るい雰囲気を作るつもりだ。2年目の自覚は早速、言動に表れていた。
昨季終盤に痛めた左膝の回復状況を含め、仕上がりは順調だ。先乗り合同自主トレの初日は朝から雨で屋外練習ができなかったが「半袖でも大丈夫なくらい暖かいので、すごくうれしいです」。宜野座ドームではティー打撃やキャッチボールなどで汗を流して「充実していました」とまた頬を緩めた。
昨季は歴代新人左打者でシーズン最多の24本塁打をマーク。矢野監督からは大山と並んで今季の4番候補に挙げられており、期待は大きい。それでも、いつだって泰然自若な佐藤輝は過度にプレッシャーを感じていない。「今日はまあ言うたら慣らしなので。雨も降っていたので。今日は気候に慣れようということで!」。キャンプインは目前。覚醒の予感がプンプン漂っている。