阪神・梅野 「速っ!」藤浪を大絶賛 150キロ超剛球「仕上がっている」
阪神・梅野隆太郎捕手(30)が30日、沖縄県国頭郡の宜野座村野球場で行われた先乗り合同自主トレに合流した。ブルペンでは復活を目指す藤浪晋太郎投手(27)とバッテリーを組み、安定感を増した体感速度150キロ超の直球を絶賛。坂本と一騎打ちの様相を呈している正妻争いについても「もちろん負けないという気持ちで」と並々ならぬ決意を明かし、2月1日のキャンプインを見据えた。
梅野と藤浪の目が合った。昼前のブルペン。ほぼ同じタイミングで姿を現した両者は何やら言葉を交わしてうなずき合い、18・44メートルの距離で正対した。開幕投手候補の青柳と秋山も投げ込んでいたが、復活を目指す背番号19の剛速球は別格の破壊力。13球目、女房役は思わず「速っ!」と感嘆の声を漏らした。
球速150キロ以上は「余裕で出ている」と断言。「めちゃくちゃ速かった」と驚きの表情を浮かべた。入団当初から長年バッテリーを組み、昨季は開幕戦で共闘した2人。藤浪を知り尽くす梅野は「ビックリするくらい仕上がっているイメージ」と現状に太鼓判を押し、例年と比べた変化についても言及した。
「球のばらつきが少なくて、自分の感覚の中で収まって投げられている。例年よりは、受けた感触としてイメージ通りの球筋が多いんじゃないかって感じる」。圧倒的な剛速球に加えて安定感があった。カットボールやスプリットなど変化球の精度も上々。「本当に内容の濃い投球でしたね」と振り返った。
自身の調整も順調だ。今月中旬から沖縄で共に自主トレを行っていた岩崎が新型コロナウイルスに感染。それでも管轄の保健所からは濃厚接触者に指定されず、2度のPCR検査で陰性であることを確認した。この日、予定通り先乗り合同自主トレに合流。サバイバルの地に足を踏み入れ、闘志をたぎらせた。
逆転Vを目指していた昨シーズン最終盤。背番号2は11試合連続でスタメンを外れ、坂本が攻守に存在感を示した。「最後悔しい思いをしている」と唇をかみ続けた日々を忘れることはない。表情も口調も穏やかだったが「もちろん負けないという気持ちで調整はしていきたい」と強いプライドをのぞかせた。
そして、誰よりも藤浪の復活を願う。「ああ見えてすごく繊細なところがあるから。シンプルかつ大胆に。球の力っていうのが一番の魅力だと思うので」。共通する最大の目標は日本一達成だ。2人で頂点に導く。最高のシナリオを頭に描きながら、球春を迎える。