阪神・藤浪“菅野の極意”明かした 合同自主トレで学んだ制球力UP 2つのポイント

 熱心にインタビューに答える藤浪(撮影・山口登)
 色紙に「優勝」と記し、チームスローガンの「イチにカケル!」ポーズを決める藤浪(撮影・山口登)
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 阪神・藤浪晋太郎投手(27)が4日、デイリースポーツのインタビューに応じ、巨人・菅野から制球力アップの極意を学んだことを明かした。年明けから約2週間、宮古列島・伊良部島で合同自主トレに志願参加。「軸足の使い方」に加え「リリースポイントの幅」について助言を受けた。節目のプロ10年目。菅野の教えを生かし、ハイレベルな先発争いを勝ち抜く。

  ◇  ◇

 -改めて、巨人・菅野との自主トレで一番の収穫は。

 「技術的にいろんなことを教えてもらったことが一番です。軸足の話もそうですし、他にもいろいろ話してもらいました。トレーニングも一緒にやらせてもらいましたし」

 -「軸足の使い方」について助言を受けていたが、見た目の変化はあまりないと。

 「あるのか分からないっていうところですね。キャッチャーの方とかは『変わった』と言ってくれるので、何か違うんでしょうけど。去年(試した)ワインドアップほど差があるかと言われたら、そんなことはないということですね」

 -菅野から「軸足がつぶれてしまう動作が多い」と指摘された。

 「つぶさないのと、右足、軸足の安定感、ちょっと蹴るイメージだったり、送り込みだったりとか、そういうところですね」

 -他に勉強になったことは。

 「ボールを長く持てるようにというか、感覚的な話になるんですけど、リリースの幅を出せるように。一点じゃなくて(リリースの幅を)長く使えるように。どこでリリースしてもある程度、安定できるように体を使えたらいいんじゃないかなという話をしてもらいました」

 -コントロールにつながる部分か。

 「コントロールの部分です。(リリースポイントを)一点で投げると難しいですし、菅野さん自身もそんなことをしてたら難しいと言ってたので。どれだけ簡単にできるかを話してもらいました」

 -リリースの話は新しい発見だったか。

 「結局のところ、前に(山本)昌さんとかに言ってもらった、『ライン出し』というところにつながってくるんですけど、それに近いところかなと」

 -ブルペンでの手応えは。

 「ある程度出てるんじゃないですかね。(ラインとは)力の方向性の話なので。ブレても上下のブレで、ある程度まとまってきてはいるのかなと。良い感じです」

 -菅野とキャッチボールをして違いは感じたか。

 「もう全然違いましたね。手元の強さが、近い距離でぴゅっと放った…何て言うんですかね、これは受けた人しかアレでしょうけど、やっぱり一流の投手の球は強いなと。うちの投手でも球が強いピッチャーはいますけど、その中でちょっと違いましたね」

 -志願して、一緒に練習して良かった。

 「もちろんです。すごくいい期間を過ごさせてもらいましたし、勉強になりました。自分は勉強しに行きたいというのは何よりだったので。シーズンでいいところを見せたいですね」

 -菅野は「元々できていたモノがあるので絶対にできるようになる」とも話している。

 「『前できてたことだから』という話は何回もしてもらいました。『できてたことだから、メチャクチャ難しく考えなくていいんじゃない?』、『シンプルに』という話はしてもらいました」

 -練習に取り組む姿勢を見て、参考になったことは。

 「繊細ですね。細かい一つ一つの動きに対して。ピッチングとかはメチャクチャ細かく一個一個どこが…とかは言われないんですけど、トレーニングの時とか特に。『ちょっと傾きが』とか、『膝の割れが…』というのをすごく気にしてやられていたなという印象があります」

 -自主トレを経てここまでの仕上がりは。

 「体の仕上がりは良いと思います」

 -先乗り自主トレで球を受けた梅野も「感覚の誤差が少ない」と言っていた。

 「そうですね。仕上がりという意味ではもちろん仕上げてきましたし、体が動くようにしてきたので。意見は相違ないというか、梅野さんに受けてもらって実感してもらってる通りかなと思います」

 -バラツキや安定感については。

 「初日(のブルペン)はちょっとバラツキがありましたけど、初日だったので力んだのはありましたし、それ以外は大きなブレはないですね。自分では悪くないと思っています」

 -キャンプ前日に矢野監督が今季限りでの退任を表明した。率直な感想は。

 「ビックリしたというのが一番ですね。だいたい想像ついてたというか…」

 -そんな雰囲気があった?

 「雰囲気というか、去年優勝してたら矢野さん辞めるんちゃうかなと勝手に思ってたので。そういうこと言いそうな人だと思ってたので。去年優勝したら辞めてたでしょうし、今年も優勝しても辞めそうやなと思ってたので意外ではなかったというか、シーズン前に言われるのはちょっと意外でしたけど」

 -矢野監督はプロに入って3人目の監督。どんな監督だったか。

 「キャッチャー的というか、ミステリアスですね」

 -就任以来、期待をかけられてきた。

 「期待はずっとしてもらってたので、結果を残したいですね。矢野監督が辞める、辞めないは別にして、結果を残さないといけないと思いますし、それがチームに貢献することになりますし」

 -今年で節目の10年目を迎えた。

 「早いですね。もう10年かと思いますし、早かったです」

 -良いことも苦しいこともあった。成長できたと思うところは。

 「どうですかね。良い経験はしてると思います。人より良いも悪いも経験してると思うので。はたから見てどうか分からないですけど、自分の中では達観して見られるようになったりしてますし、人間的にはひとつ落ち着いて、いろいろ考えられるようになったというのもあります」

 -浮き沈みもあったが成長できたと。

 「あったと思ってます。かなり良い経験してると思います」

 -1年目に20年現役を掲げた。あと10年。

 「そうですね、もう半分なので(笑)。あと10年できて38ですかね。もちろんそれまでできたらいいですし、そうするためには成績を残さないといけないので。そういうのも考えますし、できるだけ長く。野球は好きなので、長くやりたいなと思ってます」

 -野球が好きというのは変わらない。

 「それは変わらないですね。それがなかったらとっくに気持ちが折れたりしてるでしょうし、辞めたくなってると思うんですけど、そんなことはないので」

 -最後に今年の抱負を。

 「まずはローテーションに入らないと始まらないと思うので。結構枠が埋まってて、他にもいいピッチャーがいるので、難しいですけど、奪い取るというか、藤浪を使いたいなと思わせないといけないと思う。ローテーションに入って数字を残してというところは、ある程度、自分のパフォーマンスで、いい感覚で投げられれば、それは付いてくると思うので。まずは自分のできること、やるべきことに集中して、技術力を高めてやっていきたいと思います」

 -去年と比べると。

 「ここ数年にないくらい、良いなと思ってるんですけどね。個人的には。これはまだ対バッターに投げてないので何とも言えないですけど、ブルペンで投げてる感じでは良いなって思ってます」

 ◇藤浪 晋太郎(ふじなみ・しんたろう)1994年4月12日生まれ、27歳。大阪府出身。197センチ、95キロ。右投げ右打ち。投手。背番号19。大阪桐蔭から2012年度ドラフト1位で阪神入団。プロ1年目の13年3月31日・ヤクルト戦(神宮)で初登板初先発。最多奪三振(15年)。通算成績は173試合54勝49敗11ホールド、防御率3.42。17年WBC日本代表。

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