【藤田平氏の眼】“22年型”阪神・佐藤輝を分析 1年通じて崩されないフォーム作り
「阪神春季キャンプ」(16日、宜野座)
デイリースポーツ評論家の藤田平氏(74)が16日、プロ2年目シーズンへ臨む佐藤輝明内野手(22)の“22年型打撃フォーム”を分析した。上半身主導だったが故に相手バッテリーの配球でフォームを崩された昨季を反省し、下半身を意識したスタイルへ変化させていると指摘。吉と出るのか、それとも…。期待するエイトマンの今キャンプでの現状を追った。
吉と出るのか注目どころのひとつだろう。佐藤輝は1年を通じて崩されないフォーム作りに取り組んでいる印象だ。今キャンプを見て、まず感じたことは下半身を意識しているであろう点。具体的には下半身と上半身の連動性をテーマにした打撃に着手しているようだ。
この日のケース打撃でもそうだったが、まず昨年に比べて少し膝を曲げているようだ。さらに構えた時、投手に対してスクエア気味となっている。このことは上半身主導だったが故に、相手バッテリーの高めの配球に揺さぶられて打撃を崩した昨年の反省から来ているものだろう。
ウエートトレーニングが好きだという彼の良さは力強い力感のあるスイング。上半身主導だった打撃は昨季途中で崩されたとはいえ、それまではすさまじい勢いで本塁打を量産したことも事実だ。一方、腰の開きまで早くなってしまうなど本来の打撃ができなくなってからは、グリップの位置を変えるなど苦しんでいた。
今キャンプ4クール目の現在は、どれぐらい状態を仕上げているかという段階ではない。取り組んでいるフォームなどの課題をどれだけ消化できているかが肝心。昨季は2軍調整も経験するなど、シーズンを通して1軍で出場し続ける経験も積めなかった。当然、1年間をフルで戦える体力強化も大事な課題となる。
“1年通じて活躍できる安定性”を追求して取り組んでいる“新フォーム”。昨シーズンは本塁打数などの成績という観点から見ればオールスター前で終わってしまったと言ってもいい。上半身だけでなく下半身にも意識を置いたスタイル。期待しているだけに、どのような新しいバッティングを見せてくれるか注目していきたい。