阪神は梅野?坂本?開幕マスクも非常に重要 中田氏が解説 矢野監督の選択は果たして
開幕まで約1カ月となった。オープニングゲームを託すピッチャーは誰か、オーダーはどうなるのか-。ファンも首脳陣も様々な構想を巡らせている中、デイリースポーツ評論家・中田良弘氏は「開幕投手はもちろん大事だけど、開幕マスクの方も非常に重要だと思うよ」と解説する。
その視線の先にあるのは古巣阪神の正捕手事情だ。18年から3年連続でゴールデングラブ賞を獲得し、東京五輪日本代表にも選ばれた梅野、そして主将を任された坂本。果たして首脳陣はどちらに開幕マスクを託し、主戦捕手として1年間を戦って行くのか。宜野座キャンプを視察した中田氏は「梅野と坂本、どっちなのか見えてこない。1年間、こいつで戦って行くというのがね」と評する。
「去年のヤクルトがそうだけど、優勝できた要因の一つが中村を固定できたことだと思う。固定できるメリットはビハインドゲームの時にいろいろ試せるわけよ。徹底的にインサイドを突いたり、このコースは打てるのかなと試すことで次の日のゲームにつながる」。こう分析した上で、「阪神も捕手を固定できた時は強いでしょ。現役時代の矢野もそうだし、城島を固定できた時もそう。梅野を固定できるようになってAクラスが続いている。だからある程度、固定するって大事なんだよね」と語る。
投手目線から見ても「開幕までにこの捕手と組むというのは知っておきたいし、俺は固定してくれた方が良かった。良い時も悪い時も知ってくれていた方が、悪い時に(立ち直る)引き出しを開けてくれるからね。逆に良い時は本当に変えてほしくなかった。そういうピッチャーの能力を引き出すのもキャッチャーだから」と自身の経験を基に解説した中田氏。「去年の終盤、梅野がああいう使われ方をしてしまったし、意地を見たいよね。逆に坂本はキャプテンを任されたわけだからゲームに出ないと。苦しい時にグラウンドで引っ張るのがキャプテンなわけでしょ」と期待をかけた。
また開幕投手については宜野座のブルペンを視察した上で「状態を見れば伊藤将か青柳じゃないかな」と分析した。「青柳は去年、最多勝を取っているわけだから。状態を見ても悪くない。伊藤将は実戦を見ていても、同じコースで変化球を出し入れできる。例えば右バッターのアウトコースに対して、スライダー、ツーシーム、チェンジアップなど外から入れたり、内から逃げたりさせられる。これはなかなかバッターも的が絞りづらいし、インコースでも同様のことができるから。どのボールもカウント球にもできるし、勝負球にもできる。非常にレベルの高いピッチングをしている」と解説する。
阪神は京セラの開幕カードでヤクルトを迎え撃ち、2カード目はマツダで広島3連戦、3カード目は東京ドームで巨人3連戦が予定されている。「この3つをにらんで配置していくだろうし、秋山や西は広島に強いというデータもあるし。この3カードをどう戦い抜くかでローテを決めていくんじゃないかな」と展望した中田氏。開幕マウンドに立つのは誰、そして開幕マスクをかぶっているのは誰?残り約1カ月、どういう選択をするかに注目が集まる。