阪神・矢野監督「もっと激化する競争にしたかった」中継ぎ&若手野手に物足りなさ
「阪神春季キャンプ」(28日、宜野座)
メイングラウンドに姿を現した阪神・矢野燿大監督(53)がバットを手にした。最終日の全体練習が始まる前の早出特守。遊撃の木浪、小幡、三塁の大山へノックを放つ。
「最後も『あぁ、沖縄でもうノックすることもないな』とか思いながらね。悠輔(大山)や聖也(木浪)や竜平(小幡)や…そこらへんに、なんかこう気持ちが伝わればいいなと思って」
約20分間、一本一本に思いを込めたノックをすっきりした表情で振り返った。
1月31日に今季限りでの退任を自ら発表するという、異例の形で始まった今キャンプ。「伝えなかったら、なんとなくっていう気持ちになったところもあるかもしれない。選手、スタッフがそういうことを理解して、一日一日をやり切ろうという気持ちでやってくれたと思う」と満足そうに総括する。
一方で「もっと激化する競争にしたかった」と言葉の端々に物足りなさもうかがえた。守護神スアレスが抜けた穴を埋める中継ぎ陣、そして若手野手の台頭。「結果として今出なかったことは、オープン戦、シーズンの中でまた競争を作っていって、その成果が出ると信じてやっていきたい」。すでに開幕まで1カ月を切っている。ラストシーズンを悔いなく終えるための戦いは、この先も続いていく。