阪神・佐藤輝 開幕4番まっしぐら 左腕3人から右へ左へ3安打猛打賞 OP戦打率3位浮上

 6回、この回2安打目となるタイムリーを放つ佐藤輝(撮影・飯室逸平)
 2回、左前打を放ち二塁へ向かう佐藤輝
 6回、右前打を放つ佐藤輝
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 「オープン戦、阪神10-3広島」(8日、甲子園球場)

 阪神・佐藤輝明内野手(22)が「4番・右翼」で出場し、3安打の固め打ち。六回には1イニングで2本の安打を放つなど、左投手3人から右へ左へ広角に打ち分けた。オープン戦はここまで本塁打は0本ながら、打率は全体3位となる・381まで上昇。確実性を身につけた輝のバットが止まらない。

 聖地に3度響かせた快音が、佐藤輝の状態の良さを物語っていた。開幕2カード目で激突する広島相手に、オープン戦初の3安打の固め打ちでコイ倒リハはバッチリ。開幕4番へまっしぐらだ。

 「結果自体は良かったですけど、もうちょっと打球を上げて打ちたい。左投手との対戦は久しぶりな感じだったので、そこを(今後は)もうちょっとアジャストしていければいいかなと思います」

 火を噴くような痛烈な一打だった。二回先頭での第1打席。昨年、甲子園でバックスクリーン弾を浴びせている床田の144キロ直球を逆方向に運んだ。左翼・中村奨がワンバウンドした打球を捕り損ねるほど鋭い当たりで、佐藤輝は悠々と二塁へ進塁した。

 チームが一挙8得点を奪った六回にも、1イニング2安打と抜群の存在感だ。近大在籍時に対戦し「ホームランも打った」と振り返るドラフト2位・森(関大-三菱重工West)との“プロ初対戦”で、初球の141キロを鮮やかに右前へ。プロの貫禄を示すと、再び回ってきた打席でも大卒同期の森浦に容赦なく牙をむく。7点を加点し、なおも1死一、二塁の好機で、141キロ直球を右前に運び、猛攻を完結させる適時打で魅せた。

 左腕3人から右へ左へ広角に打ち分ける技術の高さが光る。好調を維持している要因を問われると「練習のたまものなんじゃないですか」とニヤリ。キャンプ中から逆方向に強い打球を打つことを意識してきたことが結果につながっている。

 試合前時点で・294だった打率も、・381と急上昇。ロッテ・高部、オリックス・杉本に次ぐ3位の数字で、オープン戦首位打者も狙える位置に上がってきた。ただ「そこは特に気にしていない」とサラリと話し、スラッガーらしく打球の角度を上げることを優先していく。

 「いい感じでは間違いなく来ているので、あとはもう少し長打を打てるようにしたい」。昨年の“オープン戦本塁打王”も今年は6試合を終えて0本。残り9試合で打撃の微調整を重ね、納得のいく形で開幕を迎える。

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