阪神 右のロハス開眼 苦手左投手からマルチ適時打3打点 藤井康コーチ助言で意識スイッチ
「オープン戦、阪神10-3広島」(8日、甲子園球場)
痛烈な打球が中堅へ伸びていった。二塁へ到達した阪神・ロハスは天に祈りをささげると、「どうだ!」とばかり、刀を抜くポーズでアピールした。課題の右打席から2点二塁打を含む2安打3打点をマーク。確かな手応えが両手に残った。
六回、無死満塁の絶好機。制球に苦しむルーキー左腕の森を餌食にした。低めの変化球を捉え、中越えへ2点二塁打を運んだ。この一打が打線に火を付け、この回一挙8得点。二回は1死三塁から左前へ先制適時打を放つなど、ポイントゲッターとして躍動した。
「打点を稼ぐいいチャンスだったので」と振り返ったロハス。春季キャンプ中は実戦7試合で3打点。重要視する数字を稼げていないことに悔しさを覚えていたが、徐々にエンジンがかかり始め、この日はことごとく好機をものにした。
2安打とも右打席から放ったことも大きい。昨季は左打席で打率・250、6本塁打だったが、右は打率・148、2本塁打。左投手を打てない場合を考慮し、矢野監督は左翼に大山を入れるオプションを用意した。だが助っ人は「シーズンに向けてこの感覚が大事だなと分かった」と好感触をつかみつつある。
指揮官は「中身もしっかりしたものが出た。そういうところから状態も上がってきてほしい」と期待。右打席で結果を残したことにも「そりゃ両方出てくれた方がいいから」と評価した。
藤井康1、2軍巡回打撃コーチのアドバイスで、今年は前さばきの意識を持って打席に入っている。昨季まではボールを呼び込むことを重視していたが「逆でいこうよ」という助言で180度スタイルを変えた。「シーズンに向けての準備はできている」。今季の目標に3割30発を掲げる助っ人への期待感が高まってきた。