阪神・ロハス 恐怖の6番 上昇3戦連続H&2戦連続打点「いい感覚になってきた」

 「オープン戦、阪神2-2広島」(9日、甲子園球場)

 阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(31)が3試合連続安打を記録し、開幕へ向けて状態を上げてきた。11打席連続無安打を脱してからは7打数4安打、打率・571と絶好調。開幕左翼の有力助っ人は、現時点ではクリーンアップの後を打つことが有力だ。昨季に続く開幕ダッシュを実現させるために、ポイントゲッターとして期待が高まる。

 満塁でも気負いはない。左打席に立ったロハスは軽々と右翼へ犠飛を打ち上げ、一時勝ち越しを演出した。仕事っぷりにスタンドが沸く。3試合連続安打に2試合連続打点。佐藤輝、大山に続くポイントゲッターとして、シーズンでの活躍に期待感を漂わせた。

 1点を追う六回、マルテの適時二塁打で追いつき、なおも1死満塁で大きな飛球を放ち、楽々と三塁走者をかえした。「キャンプからいろいろと取り組んできた中で、すぐに結果は出なかったけれど、今は自分の中でもいい感覚になってきている」。五回無死は中前打。2月の不振がうそのような変貌ぶりだ。

 昨季、チームは開幕ダッシュに成功。3、4月に20勝9敗、5月は11勝6敗2分けと突っ走った。原動力となったのが昨季限りで退団したサンズだった。5月までに打率・295、12本塁打、30打点を記録。結果的には尻すぼみで退団したが、ロケットスタートに欠かせぬ存在だった。ロハスも同様の活躍ができれば、2年連続の好発進も可能になってくる。

 今年は佐藤輝が好調なためシーズンでは勝負を避けられ、ロハスが走者を置いた場面で打席に立つ可能性が高くなる。矢野監督は「チャンスが生まれる打順やから」と好機での活躍に期待を込めた。

 ロハスは走塁でも意識の高さを見せた。五回に中前打を放った後、続く小野寺に対して黒原が暴投。三塁ベンチ側へ転がった球を追う捕手の動きが遅いと見るや、ためらうことなく三塁を陥れた。

 「チャンスがあると思ったし、どんな形であれ点を取ることが大切だから」と胸を張った。バットだけでなく、走塁、守備もおろそかにしない献身的なプレーが信条だ。

 この日は友人で今季から巨人に加入したポランコが練習を開始。「お互い、いい競争ができれば」と健闘を誓った。仲のいい選手が同じ日本でプレーすることを喜びつつ、「彼は彼なりにジャイアンツの勝利に向けて貢献すると思うから、自分もタイガースの勝利に向けて貢献したい」と力を込めた。昨季は不本意な成績に終わった20年の韓国2冠王が、日本野球に適応し実力を証明する。

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