阪神・青柳 開幕投手 プロ7年目で初の大役に感慨 ドラフト5位から不断の努力で成長

 7回、好守でピンチを脱しグラブをたたいて喜ぶ青柳(撮影・田中太一)
 試合を終え、矢野監督(左)とタッチする青柳
 力投する青柳(撮影・高部洋祐)
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 「オープン戦、阪神6-1中日」(11日、甲子園球場)

 阪神・矢野燿大監督(53)が11日、今季の開幕投手に青柳晃洋投手(28)を指名したと明かした。生え抜き投手のドラフト5位以下での開幕投手は球団史上初。4回無失点に抑えた4日の楽天戦後、初の大役に指名されていた右腕はこの日の中日戦で7回4安打1失点と好投。2週間後に迫った開幕が待ち遠しい。

 試合終了後、矢野監督がニヤッと笑った。開幕までちょうど2週間となったこの日、開幕投手の質問が飛ぶと「順番見たら分かるやん(笑)。もう前に言うてるよ」とサラリと告白。3・25-。ヤクルト戦での名誉ある開幕投手に指名されたのは大本命の青柳だ。

 決定は1週間前にさかのぼる。4日の楽天戦で4回無失点に抑えた青柳を試合後に呼び出し『行くぞ』と虎の大役に指名。昨季に最多勝を獲得するほどの成長を見せたことも評価しており「ヤギに任せたい。任せてもいいだろう」と指揮官の決意は固まった。

 青柳自身、この時をウズウズと待っていた。監督には2年前から「やりたい」と名乗りを上げてきた。目標にたどりつくために向上心を持って、マウンドで腕を振り抜いてきた。その努力が実を結び「やっと言ってもらえたな」と少し感慨深げな様子だった。

 指揮官からは、大役に志願する心とともに「(練習への)姿勢も含めて任せたい」とも評価された。入団当初は制球面などに課題があったが、不断の努力を重ねて、今ではチームの“顔”と呼べるような投手に成長した。青柳自身も胸を張る。

 「ドラフト下位指名で入って、ずっと制球面だったり、苦手なことが多かった。こんなへたくそでもここまでできる。学生野球やプロを目指す人が僕を見て“なれたら”というか、“なれる”となればいいかなと思います」

 試合では、これまで制限してきたスライダー、ツーシームなども解禁。110キロ前後の緩いカーブを多投し「結構、空振りも取れましたし、結果球(決め球)として使えた。すごい手応えを感じていますね」と自信を深めた。

 今季限りでの退任を表明している矢野監督に指名された“最後”の開幕投手。「僕自身、監督が1軍監督になってから出てきた選手。監督と一緒に日本一になって、有終の美じゃないですけど、飾れたらうれしいな」。開幕の燕斬りからVロードへ-。誇りを胸にマウンドに上がる。

 ◆阪神・ドラフト5位以下の開幕投手 青柳は2015年度ドラフト5位入団。阪神生え抜きの開幕投手では過去にいない。最も低い順位は1994年度4位の川尻哲郎(97年開幕戦)。移籍組では70年度ドラフト外で東映入団の江本孟紀(77~79年)、71年度6位で巨人入団の小林繁(80~83年)、83年度5位で阪急(現オリックス)入団の星野伸之(00~01年)がいる。

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