阪神・佐藤輝 待ってました!OP戦1号 猛打ショー!開幕4番へノッてきた~
「オープン戦、ソフトバンク3-3阪神」(15日、ペイペイドーム)
ついに飛び出した。阪神・佐藤輝明内野手(23)がオープン戦初本塁打を放った。七回2死一塁で左腕・笠谷から右翼席に1号2ラン。オープン戦11試合、43打席目で待望のアーチをかけた。第3打席に右線二塁打、第5打席にも中前打をマークし、3安打の固め打ち。開幕4番が決定している若き主砲はプロ2年目のシーズンに向け、不安のない状態に仕上がりつつある。
1年前、記念弾を刻んだ思い出の地で佐藤輝がまた魅せた。乾いた打球音が響くと、白球は右翼へ向かって美しい弧を描く。背番号8も打球の行方を確信してゆっくりと歩き出す。オープン戦43打席目で飛び出した待望の第1号。縁起のいいペイペイドームで、ようやく打球が上がった。
「(この日までのオープン戦で)甲子園じゃなかったら入っている(打球もあった)ので。焦っていない中で(一発が)出たのは良かったのかなと思う」
2点を追う七回2死一塁。カウント1-2から笠谷が投じた外角124キロのナックルカーブを一閃(いっせん)。「変化球が浮いてきたので、しっかり打てた」。完璧に仕留めた一撃はポール際へ一直線。スタンドに吸い込まれると、佐藤輝は涼しい顔でダイヤモンドを一周した。
カメラに向かっていつものゼットポーズではなく、昨季5月28日に1試合3発を放った西武戦で決めた、両手の人さし指を天に突き上げるボンズのホームランパフォーマンスを披露。「(ゼットポーズは)本番に取っています」と頬を緩めた。
昨年3月、オープン戦初戦で訪れた地が博多だった。石川相手に名刺代わりの初打席弾を浴びせたが、今年の同戦1号もペイペイドーム。パワースポット的な球場ともなっており、ただの偶然では片付けられない。
ハイライトは本塁打だけではない。五回には2死一塁では先発・石川から右翼線二塁打でチャンスを拡大させると、同点の九回には守護神・森のフォークを中前打。開幕4番が決定している若き大砲が3安打固め打ちで、打率も・273から・324と一気に上昇した。
3月13日に23歳の誕生日を迎えたばかり。同日の巨人戦では無安打に終わったが、この日はオープン戦での23歳初安打&初本塁打。矢野監督は「自分の形がしっかりしてきた」と評し、4番起用についても「全然外すつもりはない」と初めて明言。佐藤輝も開幕に向け、100%の態勢を作る。
「状態をキープしてというか、もっと上げて開幕を迎えられたら」。開幕まで残り9日。豪打復活の号砲を起点に上昇気流に乗る。