阪神・ケラー 0封デビュー 新守護神襲名へ上々初実戦「まだまだ良くなる」
「オープン戦、ソフトバンク3-3阪神」(15日、ペイペイドーム)
ドロ~ンと沈む宝刀に上林のバットが豪快に空を斬った。「K・K」のニックネーム通り、阪神のカイル・ケラー投手が圧巻のデビューだ。10日のチーム合流からわずか5日後、敵地ペイペイドームでベールを脱いだ。
「本当に楽しみだったんだ。ファンの皆さんの前で、早く実戦で投げたいと思っていたから良かったよ。コントロールは満足できるものではなかったけれど、まだまだ良くなると思うよ」
待ちに待った瞬間が訪れ、助っ人の気分は高揚していた。1-3の六回、グラブをポンポンとたたき、梅野とグータッチしてさっそうとマウンドへ。先頭の5番・栗原への初球はあいさつ代わりの剛球だ。147キロの内角直球であっさり右飛に料理。中村に146キロを中前へ運ばれたが、一塁けん制で走者をくぎ付けにすると、前の打席で豪快アーチを放っていたリチャードを147キロで左飛に打ち取った。最後は上林から121キロカーブで来日初三振を奪い、1回1安打1三振無失点。審判から指をなめるしぐさを注意される場面もあり、収穫たっぷりの初登板となった。
新守護神と期待する矢野監督もホッと一安心だ。来日会見で最速160キロと豪語していた直球がこの夜は148キロ止まり。「もうちょっとスピードが上がってきたら」と注文を付けつつ、「打者の反応を見ても空振りも取れていたんで、それなりだったかな」とカーブに合格点を与えた。
次回は18日からのオリックス3連戦(京セラ)に登板する見込みだ。この日は直球とカーブ2種類で勝負したが、今後はスライダーとカットボールの中間“スラッター”も解禁予定。「まだまだ改善の余地があるのは間違いない。今後上がっていくと思うし、上げていかないといけない」とケラー。10日後に迫る開幕へ、急ピッチで歩みを進めていく。