阪神・藤浪から開幕ダッシュだ 青柳の代役決定的 生え抜き10年ぶり2年連続大役へ覚悟十分
虎の緊急事態を救ってくれ!!阪神・藤浪晋太郎投手(27)が25日・ヤクルト戦(京セラ)で開幕投手を務めることが17日、決定的となった。この日、青柳が新型コロナウイルス陽性判定を受けたことに伴う措置で、球団の日本投手では11&12年・能見(現オリックス)以来となる2年連続の大役。きょう18日のオープン戦・オリックス戦(京セラ)先発を経て、ツバメ斬りへ態勢を整える。
虎に激震が走った前夜から一夜明け、鳴尾浜のブルペンでは藤浪が黙々と投げ進めていた。開幕まで1週間。限られた調整期間を無駄にはしないと一球一球の感触を確認。来るべき決戦に備え、準備に余念はない。
チームは前夜、緊急事態に見舞われた。本来は19日のオープン戦・オリックス戦を経て、1週間後の26日・ヤクルト戦に向かう算段だった。だが青柳が新型コロナウイルスの濃厚接触者となり、この日陽性判定を受けたことに伴い、25日の開幕戦が藤浪、2戦目が小川、3戦目がドラフト3位・桐敷(新潟医療福祉大)となる見通し。藤浪は18日の同オリックス戦へ前倒しでの先発が決まった。
20メートルの短ダッシュを終えた後、取材に応対した藤浪は至って冷静だった。「言われたところで投げるしかないので。ちょっと分からなくなりましたけど、表のローテだと京セラになると思う。そちらに投げる想定で取り組んでいけたら」。開幕投手を担う覚悟は、十分にできている。
2年連続開幕投手となれば、球団の日本投手では11&12年の能見以来、10年ぶり。昨年もヤクルト相手に5回2失点で白星こそ付くことはなかったが、チームは開幕戦に勝利したという吉兆もある。「開幕に向けてもちろん気合も入っています」と言葉に熱を込めた藤浪の快投に期待がかかる。
昨年の日本一チームを撃破するために、まずは18日のオリックス戦で戦闘モードに仕上げていく。吉田正や杉本など強力打線がズラリとそろうが、格好の腕試しとなりそうだ。
「良いチームなのは間違いない。その相手に自分の納得できる投球ができれば、より良い精神状態でシーズンを迎えられると思うので、しっかり良い投球をしたいと思います」
10年目の節目を迎える今季、2年連続の開幕投手から飛躍のきっかけをつかみたい。「この時期は毎年気合も入りますし、今年こそ“やるぞ”って気持ちは持っている。しっかりと頑張りたい」。そう話す表情には一点の曇りもない。虎の緊急事態を救うため、使命感を持って「3・25」のマウンドに向かう。
◆阪神の主な2年以上連続開幕投手 最初に連続で務めたのは若林忠志で1941、42年。江夏豊は69~71年と73~75年に務めた。00年以後の生え抜き投手では井川慶が02~06年、安藤優也が08~10年、能見篤史が11~12年に務めている。