阪神・藤浪 開幕GO!今年自己最速160キロ総仕上げ 矢野監督明言で“代行”へ使命感
「オープン戦、オリックス2-3阪神」(18日、京セラドーム)
阪神・藤浪晋太郎は、オリックス・吉田の打球が右足首付近に直撃した五回、ベンチで戻った直後だ。矢野監督から「足大丈夫か?開幕行けるやろ」と2年連続開幕投手を託された。突然の通達に「“開幕いけるか”と“開幕カードいけるか”のどっちの意味か自分でも(笑)」と半信半疑だったが、青柳の「代行」として、使命感を口にした。
「あまり気負いたくないですけど、青柳さんが一番悔しいでしょうし。開幕、開幕と口にされて、こだわってきた中だったので。青柳さんに次の週にいい形で入ってもらえるように、いい流れをつくれたらなと思います」
1週間後の本番へ、試合では上々の仕上がりを見せた。初回、1番・福田への6球目に160キロを計測。今年初の大台に到達を「そこそこ」と振り返ったが、昨季のパ・リーグ覇者を相手に5回4安打2失点(自責1)。「及第点です。ピンチも多かったけど粘れたり、意図して三振も取れたことが多かった」と収穫を口にした。
本人の言葉通り粘投が光った。二回は先頭の四球からピンチを広げ、若月の遊ゴロの間に先制点を献上。1-1の五回は味方の失策から後藤に左犠飛を浴びた。それでも、いずれの場面も最少失点にとどめ、ゲームメークを果たした。
当初は開幕2戦目に向かうはずだったが、開幕投手に決まっていた青柳が16日に新型コロナウイルス陽性者との濃厚接触の疑いで自主隔離に。17日に「陽性」判定を受けて、藤浪に白羽の矢が立った形だが、矢野監督の期待は昨年以上だ。
「去年も晋太郎は開幕やってるし。去年より手応えとか自信を持って臨めるシーズンになっていると思う」
青柳からはラインで「ごめんね、頑張ってね」と連絡が届いた。先輩の無念を晴らし、開幕白星を贈る。