阪神・藤浪が合格投球 開幕投手へ準備完了 高代氏「いい意味での脱力感がある」

「オープン戦、オリックス2-3阪神」(18日、京セラドーム大阪)

 阪神・藤浪晋太郎投手(27)が5回を4安打2失点にまとめ、12日の中日戦に続いて結果を出した。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「投球にいい意味での脱力感がある」と評価。青柳に代わる開幕投手に関しては、「準備はできたのかな」と語り“合格点”をつけた。

 藤浪は前回の中日戦(5回無安打無失点)に引き続き、落ち着きのある投球をしていたね。いい意味で脱力感がある。バランスのいいフォームで投げているから、だいたい梅野の構えたミットの周辺にボールが収まっていた。

 バックスイングで余分な力が抜けているせいか、スッポ抜けるような球や逆球という荒れた投球はほとんど見られなかったね。

 踏み出した左足のひざに“ゆとり”があり、ほどよい曲がり方をしているようにも見えた。そのため、しっかりと体重を乗せることができていた。

 たまに引っかかる球はあったが、四球は2個。吉田に対しては一塁が空いていることで“歩かせてもいい”という思いもあっただろうから、制球を乱しているという感じはなかった。

 要所で投げたカーブもよかった。藤浪はストレートが速いだけに、緩急の面でこのカーブは効果的だ。かつて彼が首を振ると、決まって「スライダー」という印象があった。得意球に頼る傾向にあったが、この日はカーブだけでなく、フォークもよく決まっていたね。こうなると心強い。

 私が特に興味深く見ていたのは、先頭打者を糸原の失策で出塁させた五回である。その後、内野安打に足も絡められて無死二、三塁のピンチを迎えたが、藤浪はこの場面を後藤の左犠飛による1失点に食い止めた。

 これまではズルズルと失点を重ねることが多かったが、ここで崩れなかったことも評価したいね。

 ただ、チームとしてはこの失策も含めて、見過ごせないミスがほかにもあった。2度にわたる送りバントの失敗ですよ。

 島田と梅野。2人ともスリーバントを決めることができなかった。シーズンでは命取りになるミス。昨年“1勝の差”で優勝を逃した悔しさを忘れてはいけない。

 さて阪神の開幕の相手は昨年同様、ヤクルト。その開幕投手候補には青柳の離脱で藤浪の名前が挙がっているようだね。キャンプ当初は、ローテーションの6番目のイスを狙う立場だった投手が一気に浮上してきた。

 この時期になって開幕以降の先発ローテの順番や登板日を変更するには無理があるし、そもそも首脳陣の評価が高いというのもあるだろう。

 2年連続開幕投手?チーム事情は知らないが、この2試合の投球内容を見る限り、シーズンインへ向けて藤浪自身の準備はできている感じはするね。

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