阪神・佐藤輝 打点王見えた OP戦2年連続V導く「自分のスイングをする」
「オープン戦、阪神4-2オリックス」(19日、京セラドーム大阪)
打席でのたたずまいに落ち着きと風格を感じる。阪神・佐藤輝明内野手(23)が難敵・宮城から4試合連続安打&4試合連続打点となる右翼線適時二塁打を放ち、日本ハム・万波と並んで打点トップに立った。20日のオリックス戦が開幕前のラストゲーム。4番が8連勝を呼ぶ一発を放つ。
またも佐藤輝が4番の仕事を果たした。昨季13勝の宮城を一気呵成(かせい)に攻め立てた三回。熊谷とマルテの連続タイムリーで逆転し、なおも続く2死一、三塁のチャンス。「いいピッチャーなんで、どんどんいこうと思って」と勝負強さを見せつけた。
4試合連続安打&打点となる適時二塁打。キレ味鋭いスライダーに体勢を崩されたが、右手一本で引っ張り込み、一塁線を破った。「いい球を見られたので、今後に生きてくると思います」。前日は昨季リーグ5冠の山本から同点の適時三塁打。2日間でオリックスが誇る左右のエースを攻略した。
ここまでのオープン戦は全14試合に出場して打率・348、2本塁打、11打点と堂々の“チーム三冠王”。打点は日本ハム・万波と並んで12球団トップだ。「いい感じで、ある程度打てていると思います」。昨年はオープン戦6本塁打でドラフト制以降のルーキーで初となる“本塁打王”に輝いたが、今年は“打点王”を視界に捉えている。
投手の右左に関係なく打てていることも好材料だ。右投手に対して打率・333、1本塁打、6打点。左投手からも打率・368、1本塁打、5打点と安定して結果を出せている。「自分のスイングをすることを意識してやっています」。藤井康1、2軍巡回打撃コーチ直伝の4スタンス理論で変身した23歳。期待感はさらに高まっている。
12試合連続で4番起用している矢野監督は「明らかに空振りは減っている。一発でコンタクトできた中での、しっかりとした内容というものも増えているから。テルの成長の部分かなと思う。それが結果的にオープン戦での勝負強さにつながっている。楽しみかな」と心を躍らせた。
チームは10戦負けなしの7連勝。オープン戦ラストの20日・オリックス戦で総仕上げを図り、矢野阪神ラストイヤーに向かう。佐藤輝は「良い感じなので、このまま開幕から去年みたいにいけるように頑張りたいです」と表情を引き締めた。今年こそ…の思いを胸に、戦う準備を整える。