阪神・小川 燕も斬る 再三ピンチも耐えた6回7安打2失点!開幕2戦目の先発当確
「オープン戦、阪神4-2オリックス」(19日、京セラドーム大阪)
ひりつくような緊張感が幾度も訪れたが、阪神・小川は粘り切った。6回7安打2失点。三者凡退に抑えたイニングは1度だけ。走者を背負う重圧に耐えながら、最後まで踏ん張り抜いた。
「長いイニングを投げることを目的に自分は投げていたので、その中で6回を投げ切れたのは良かったです」
粘投の象徴は3点リードの五回だ。今年初めて経験する打者3巡目。「後半、自分の中でバテてしまった」と2死二塁からまさかの8球連続ボールで、2死満塁の危機を招いた。一発逆転の場面で迎えたのは、昨季パ・リーグ本塁打王の杉本。ここで事前に打っていた布石が生きた。変化球を交えながらファウルでカウント1-2まで持ち込むと、最後は低めの120キロカーブで空振り三振に仕留め、無失点に切り抜けた。
三回2死一、三塁の杉本の第2打席目で、カーブを左翼フェンス際まで運ばれていた。杉本が笑みを浮かべたほどの会心の当たり。セオリーなら前の打席で“痛打”を食らったカーブが決め球候補に挙がるはずはないが、「誠志郎さん(坂本)と話していたのが良かった」とあえて“危険な球種”を選択し、裏をかいて抑え込んだ。
6回96球と球数は重ねたが、ツーシームやカットボールなどバットの芯を外す球種も多投し、先発らしい投球スタイルで2失点にまとめた。矢野監督は開幕カードを先発で任せられるかについて「もちろん」と即答。「安定している」と合格を出し、小川の開幕2戦目でのプロ初先発が決まった。
今春のキャンプでは、プルペンで100球以上投げ込む日を設けるなどし、「球数的にはそんなに(疲れていない)」とスタミナ面の準備も少しずつ整えてきた。「考えすぎると緊張しちゃうんで、考えすぎないように。自分のペースでやっていけたら」。慣れない真っさらなマウンドで躍動し、開幕ダッシュの原動力となる。