阪神ドラ3桐敷 開幕ローテ確定 内角ズバズバ!3・27ヤクルト戦も任せた
「オープン戦、オリックス2-1阪神」(20日、京セラドーム大阪)
阪神のドラフト3位・桐敷拓馬投手(22)=新潟医療福祉大=が先発し、5回無失点で開幕ローテ入りを確実にした。主力が並んだ昨季のパ・リーグ王者を3安打に抑え、三塁を踏ませない堂々とした投球を展開。デビュー戦として有力視される開幕3試合目の27日・ヤクルト戦(京セラ)へ向けて弾みをつける快投だった。
首から汗をしたたらせながらも、桐敷は昨季のパ・リーグ王者の圧に屈しなかった。
最大のピンチは四回だった。先頭の2番・ラベロに唯一の長打となる二塁打を許して無死二塁。タイトルホルダーらが並ぶクリーンアップとの対戦に「自分の中で萎縮しないように攻めていこうと思った」。窮地で新人離れした投球を見せた。
2年連続パ首位打者の吉田正は1ボールから2球連続の内角ツーシームで中飛に打ち取った。続く昨季のパ本塁打王の杉本にも強気だった。1ボールから3球連続の内角球で追い込むと、2-2から7球目のスライダーで見逃し三振。最後は昨季のパ三塁部門ベストナインに輝いた宗を初球の低めスライダーで右飛に仕留めた。
五回2死は若月を2球で追い込んだ後、変化球中心で攻めたが5球連続ファウルで粘られる。すると、8球目を投じる前に梅野のサインに2度、首を振った。「インコースでボールでもいいからのけ反らせたかった」。自ら主張して内角直球を選択。真ん中高めに浮いて中前にはじき返されたが、「自分の中で考えてやったこと」と強い意志を投球で表現し、5回3安打無失点の好投につなげた。
前回先発した13日の教育リーグ・中日戦(鳴尾浜)は5回12安打7失点。カウントを不利にして打ち込まれた。際どいコースを突こうとした反省から、この日は「今回はアバウトにいくというところを意識して」。ストライク先行の投球で5回を71球で投げ終えた。
堂々とした投球を矢野監督も評価。開幕カードでの起用を問われると「そうなるかなと思う」。桐敷は14年・岩崎以来の大卒新人投手での開幕ローテ入りが確実となり、開幕3戦目の27日・ヤクルト戦(京セラ)でのデビューが濃厚となった。
先発陣は開幕投手に内定していた青柳が17日に新型コロナウイルス陽性判定を受けて離脱。指揮官は緊急事態に「1人でも2人でも出てくるというのはチームとして大事なこと」と期待を込めた。
ドラフト3位左腕は「新人王を目標にやっていきたい」。1週間後、力強くプロとしての一歩を踏み出す。