開幕7連敗の阪神に光見えた 大山弾「勇気づける1本に」 近本も今季初マルチ
「巨人6-5阪神」(1日、東京ドーム)
最後は1点差まで追い上げる粘りを見せるも序盤の失点が響き阪神は開幕7連敗。それでもリードオフマンの近本光司外野手(27)が今季初適時打を含む初のマルチ安打をマークした。大山悠輔内野手(27)には、九回に1点差まで詰め寄る1号2ランなど兆しは見えている。次こそ、勝ちたいんや!!
東京ドームの空気が一変した。今季初勝利を祈る阪神ファンのボルテージが最高潮に達した。絶対に最後まで諦めない。大逆転を信じて戦い抜く。大山が最後に意地を見せた。球団ワーストを更新する開幕7連敗となったが、これまでにない希望の光が差し込んだ。
「諦める理由がないですし、誰も諦めて野球をしているわけではない。追いつかなかったですけど、あそこで自分自身に1本出たのはすごく大きいですし。あのまま終わるのと1点差で終わるのは絶対に違うと思うので」
先発の藤浪が巨人打線に打ち込まれ、四回終了時点で6点ビハインド。また敗色濃厚か…。序盤は開幕からの負の流れを引きずりまくっていたが、五回に反撃開始。菅野から3点を奪い、その後も必死に食い下がって、迎えた3点を追う九回2死二塁の場面だった。
マウンドには新人守護神の大勢。大山は渾身(こんしん)のフルスイングで応戦し、8球目の変化球に若干体勢を崩されながらも、バットの芯に乗せてライナーで左翼席まで運んだ。開幕から28打席目で飛び出した1号2ラン。チームを鼓舞するアーチだった。
「あの1本がチームの流れを変える。チームを勇気づけるというか、そういう1本になってくれたらいいなと思いますし。チーム的には苦しい状況ですけど、前を向くしかないですし、下を向いてもしょうがないので」
七回には菅野から中前にはじき返し、開幕から7試合連続安打と好調を維持している。また近本も六回に右翼フェンス直撃の適時三塁打を放つなど、今季初のマルチ安打&打点を記録。「上がってきているかどうか分からないけど、今日やりたいことはできた。状態が上がっているとかは気にしない」と言う。
1936年の大阪タイガース時代の復刻ユニホームを着用して臨んだ今年初となる伝統の一戦。敗戦後に大山、近本ら一部主力選手が集まりミーティングを行ったとみられる。大山は「また明日は来るので、チーム一丸となって戦いたいなと思います」と引き締めた。必ず明るい未来はやってくる。そう信じて戦うしかない。
◆セ界2度目の屈辱…開幕7戦7敗はセ・リーグ史上2度目で54年・広島以来、68年ぶり。リーグワーストとなる79年・ヤクルトの開幕8連敗(1分けを挟む)に迫る屈辱となった。NPB最長は開幕12連敗でパ・リーグの55年・トンボと2分けを挟んだ79年・西武。また、開幕最長連敗からの逆転優勝は60年・大洋で6連敗からだった。