阪神 セ・リーグ史上初8戦8敗 デッドライン超え首位巨人と7差も矢野監督「関係ない」

 9回、自身の遊直で近本が戻れず試合終了。頭を抱える佐藤輝(撮影・堀内翔)
 9回、佐藤輝の遊直で飛び出した近本は帰塁できず併殺でゲームセット
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 「巨人5-4阪神」(2日、東京ドーム)

 またも敗れ、悪夢のセ・リーグ史上初となる開幕8戦8敗となった。阪神は九回、1点差に迫ってなおも1死二、三塁で佐藤輝の打球は遊直に。飛び出した三走・近本が三塁封殺でまさかの幕切れとなった。矢野燿大監督(53)はゲーム差について「関係ない」と話したが、首位・巨人とは7ゲーム差となり、逆転優勝の“リミット”だった6・5ゲーム差に過去最短で到達する結果に。負の連鎖を断ち切れないままだ。

 九回、糸井の適時打で1点差に迫り、なおも1死二、三塁。巨人の若き守護神・大勢を阪神打線が追い詰める。打席には4番・佐藤輝。勝利を渇望する阪神ナインがベンチから乗り出すようにグラウンドを見つめ、左翼席の虎党がメガホンをたたく音に力が入った。

 だが、しかし…佐藤輝の打ち損ないの当たりは遊撃へのハーフライナーに。さらに飛び出していた三走・近本が戻りきれない。併殺となり、あっさりゲームセット。まさかの結末となった瞬間、ドーム内に虎党の悲鳴とG党の拍手が交差した。

 「ギャンブルで行ってるんで。こっちの責任で近本は悪くない」。最後の場面が同点を狙うギャンブルスタートだったことを明かした矢野監督は、あと一歩での敗戦に「そりゃあもう…勝たないとダメなんで…」と悔しさを押し殺した。

 ついに屈辱的な記録を打ち立てた。開幕8連敗はセ・リーグ2例目。だが、1979年のヤクルトは1分けを挟んでおり、ストレートでの8戦8敗はリーグ史上初だ。ちなみに当時のヤクルトは、ぶっちぎりでの最下位に終わっている。

 “デッドライン”も超えた。阪神の歴史において、1964年の6・5差からの逆転Vが最大ゲーム差からの優勝だった。「ゲーム差?関係ない」と矢野監督は話したが、単独首位となった巨人との差は早くも7ゲームに。“優勝確率0%”のデータが、また一つ加わった。

 この日、スタメンマスクをかぶり、2安打したキャプテン・坂本は言う。「誰だって勝ちたいと思ってるし、昨日や今日のように粘る野球…タイガースの持ち味をなんとか出したいっていう思いが、みんな強くなっていると思います」。シーズンは続いていく。初勝利が大きく流れを変えると信じ、前を向いて試合に向かって行くしかない。

 ◆阪神史上最速死線超え 阪神と首位・巨人のゲーム差は7.0。阪神は過去5回のリーグ優勝(1962・64・85・2003・05年)で、最大逆転優勝は64年7月の大洋につけられた6.5からのものだった。過去に首位と6.5差以上になったシーズンでの最短は99年4月15日の7.0差(10試合目)、続いて20年7月2日の6.5差(12試合目)。なお、史上最大の逆転優勝は63年・西鉄の記録した14.5ゲーム差から。

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