【岡義朗氏の眼】阪神 流れ戻した積極的な選手起用
「阪神3-3広島」(8日、甲子園球場)
阪神ベンチは中盤からどんどん選手を動かしていき、広島へ傾いた流れを引き戻した。劣勢でスタートし、これをどう止めるのかという展開で、積極起用が奏功した。
藤浪が立ち上がりから内容的に苦しい中、矢野監督は割り切って五回に桐敷、浜地を投入。結果的に無失点に抑えた。このさい配に、全員野球で流れを持ってこようという気概が見えた。同点に追いついたのは、攻めの投手起用で相手にプレッシャーをかけられたからではないだろうか。
また、湯浅の攻めの投球とフィールディングも目を見張るものがあった。延長十一回、無死一塁で堂林のバントを巧みな処理で併殺に打ち取った。
バントを試みた堂林は1球目に高め直球を空振り。ここで梅野が高低を使った配球を指示し、2球目はフォークでファウル。3球目は外して4球目を内寄りに投げると、湯浅は打球方向を読んで一目散に駆け寄り、捕球するや二塁へ送球。この併殺で相手の芽をつんだ。打者心理を読むクレバーさとフィールディングは藤川や藪に匹敵。矢野監督が抑えに抜てきしたのもうなずける。